「いまどき指詰め」で注目された弘道会4代目・野内会長が山口組8代目の最有力候補に
“迷惑をかけた”
自ら指を切断したにもかかわらず、国民健康保険制度が適用される負傷の範囲内であると医療機関を信用させて医療費の支払いを免れたことが詐欺にあたるとされ、野内若頭らは2024年に逮捕された。
当然ながら、指詰めなど故意の負傷の場合には国民健康保険制度は適用外となる。
しかしこの「詐欺」、カネ目当てとは到底思えないというのは衆目の一致するところ。そもそもいまどき、これほどの大物が指詰めすること自体異例中の異例である。
一体何があったのか。元山口組系義竜会会長の竹垣悟氏(現在は、NPO法人「五仁會」を主宰)によると、
「稲川会系の組織と行き違いがあったと聞きました。都内にある傘下組織の事務所で早朝に断指し、そのまま稲川会系の組に持って行き、“迷惑をかけた”とひと言残して立ち去ったそうです」
とのこと。捜査当局は当然、その稲川会系の事務所など関係先を家宅捜索したが、「野内若頭の指」は見つからなかったという。そして同年12月、野内若頭らは不起訴となった。
たとえ不起訴であっても、一般企業ならば処分モノの不祥事に相当する事案だったかもしれないが、当然別の論理で動いている世界なので、「いまどき指詰め?」といった疑問が出ることもなく、今回の昇格には何ら影を落とさなかったということのようだ。
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