「シャイで喜怒哀楽を表さない子だった」 バレー女子日本代表のエース「石川真佑」の意外過ぎる高校時代
世界選手権で15年ぶりに準決勝まで駒を進めた、バレーボール女子の日本代表。近年では突出した強さを誇るチームの主将は、大人気の石川真佑(まゆ・25)。彼女を知る関係者らが“小さなエース”の成長の軌跡を振り返る。転機はイタリアにあった。
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「逃げずに練習を重ねたからこそ今がある」
9月7日に閉会したタイでの世界選手権で、日本は世界ランクと同じく4位に終わった。
「準決勝で世界ランク5位のトルコに、銅メダルを懸けた最終戦では同2位のブラジルに敗れました。とはいえ、いずれも勝利の可能性を十分に感じさせての惜敗でした。五輪では2021年の東京、24年のパリと2大会連続で1次リーグ敗退となった日本ですが、ここにきて世界のトップに肉薄してきた。海外で経験を積んだ選手が増え、個々の実力が各段に上がっています」(スポーツ紙記者)
その代表格として日本をけん引するのは絶対的エースの石川。世界ランク1位のバレー大国、イタリアのノヴァーラに所属する。
「23年に渡伊してフィレンツェに入団した彼女は昨年、強豪のノヴァーラに移籍しました。兄の石川祐希(29)もイタリア内外の精鋭が集うペルージャでプレーしており、兄妹で日本のバレー界を背負って立つ存在になっています」(同)
彼女は昨季、ノヴァーラ最多の344点を取ったが、スパイクを打つアウトサイドアタッカーとしては、目に見えて小柄である。
「真佑の身長はプロフィール上、174センチとなっていますが、実際は171センチあるかないかでしょう」
と語るのは、石川の恩師で下北沢成徳高校バレー部の小川良樹元監督(69)。
「アタッカーでは大成しないと見る向きもあったそうですが、私はそうは考えませんでした。入学当初から肩の可動域が広く、体をひねれば、その都度、高いブロックを外す方向にスパイクが打てたからです。フィジカルトレーニングにより最高打点もどんどん上がっていった。高校時代、低くて速いトスばかりを打つ戦法に逃げず、しっかりとジャンプしてアタックを決める練習を重ねたからこそ、今があるのです」(同)
意外な高校時代
ただ、性格は今とは大いに違ったそうだ。
「明るい髪色の垢抜けた容姿で仲間を鼓舞する現在の真佑からは想像がつかないと思いますが、高校生だった頃の彼女はシャイでした。喜怒哀楽を表さないのです。3年生でキャプテンを務めた時も、率先して声を出すようなことがなかった。年頃だったけれど、化粧っ気もありませんでしたね。すべてをバレーに捧げるストイックな生活を送っており、真面目過ぎて、私が若干心配になってしまうような子でした」(小川氏)
イタリアで石川を取材してきたマスコミ関係者に聞くと、
「たしかに彼女はもともと大人しい性格で、こちらに来たばかりの時は異文化に戸惑っていたようです。しかし、監督や他の選手たちとストレートに物を言い合うイタリア人のオープンマインドに触れ、徐々に積極的になっていきました」
ノヴァーラに移籍した頃には、見違えるほどの成長を遂げていたそうだ。
「通訳がいなくても、自ら仲間とカタコトの英語でコミュニケーションを取っていました。“2年目にもなると余裕が違うね!”と、本人に話したのを覚えています。今の日本代表では石川の他にも、関菜々巳(26)などがイタリアでプレーしています。一昔前と比べてチーム全体が明るくなったように見えるのは、彼女たちの影響が大きいのかもしれませんね」(同)
バレー大国での経験を積んでさらに“大きく”なり、28年のロス五輪ではぜひともメダルを!








