オフにFA移籍するのは誰だ!? 阪神近本、中日柳は残留か…オリックスと楽天、ヤクルトからは流出する危険性も

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何よりも年棒が

 近本と辰己を除き、センターのレギュラーが完全に固定できているチームは、岡林勇希がいる中日くらいだ。そのような状況を考えても、辰己の“市場価値”が高くなるのは当然と言えそうだ。

 その他の選手では、2021年に最優秀防御率と最多奪三振のタイトルを獲得した柳裕也(中日)と貴重な左のリリーフで、今年見事に左ひざの怪我から復活を果たした中川皓太(巨人)らが、新たに国内FA権を取得した。

 しかし、彼ら以上に移籍の可能性が高い選手がいるという。2016年の新人王、高梨裕稔(ヤクルト)だ。

「柳は今の成績(12試合、3勝3敗、防御率2.57、9月17日現在)も振るわないうえ、人的補償を必要とする高額年俸(推定年俸1億1000万円)もネックになりますね。2年続けて成績を残せていないため、本人も今FA宣言をしても好条件が得られないと思っているのではないでしょうか。中川はプロ入り時から巨人と繋がりが強かったようで、移籍は考えづらい。一方、高梨はそこまで実績はありませんが、先発投手としてある程度計算できますし、何よりも年俸(推定年俸3000万円)が安いです。ローテーションの5番手や6番手として、獲得しても、損はないと考える球団が多いでしょうね」(前出の編成担当者)。

 高梨は2勝6敗と負け越しているが、89回2/3を投げて、防御率3.21とまずまずの成績を残している(9月17日現在)。それに加えて、怪我による長期離脱で全く戦力にならなかったシーズンがない点も、評価ポイントとなりそうだ。

 果たして、今回名前を挙げた選手がどのように判断し、FAとなった場合、どの球団が動くのだろうか。今後の動向から目が離せない。

西尾典文(にしお・のりふみ)
野球ライター。愛知県出身。1979年生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行う。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

デイリー新潮編集部

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