巨人・阿部監督続投でも山口オーナーが隠さなかった「不満」 「長嶋茂雄の遺志」とは別に「オーナーには意中の人がいる」
巨人の山口寿一オーナー(読売新聞グループ本社社長)が、来季も阿部慎之助監督を続投させる考えを報道陣の前で示した。だが取材した記者たちは、言葉の節々から阿部監督への強い不満を感じ取ったという。早くも語られ始めた「ポスト阿部」はいったい誰になるのかーー。
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【写真を見る】球団内で「山口オーナーの意中の人」と言われている監督候補
「電撃解任もありうる」と身構えていたが…
9月17日、東京・港区のグランドプリンスホテル新高輪で行われたプロ野球12球団オーナー会議。会場に集まった30人以上の報道陣の目当ては山口氏だった。阿部監督の電撃解任もあるのではないか、と身構えていたのである。
「阿部監督にとって今季は3年契約の2年目。昨季は優勝、今季もなんだかんだ言って2位につけており、普通に考えたら続投です。ただし、それは普通の球団だったらの話。『常勝』を使命とされている巨人において、宿敵・阪神に7勝17敗と負け越し、史上最速優勝で独走させてしまった結果は黙って見過ごせるものではありません」(野球担当記者)
だが、山口氏は来季の阿部監督続投を明言した。
チームの状況を聞かれると、「苦しんでいます。ただ、2位3位になるかは、最後までもつれそうですね。とにかく勝ってもらいたいです」「せめてもの意地を見せてもらいたい」。優勝を逃したことをについては、「誠に残念。優勝争いさえできなかった。残念ですし、ファンの皆様には申し訳ない限りです」と語った。
「苦言」を重ねた山口オーナー
注目すべきは次に出た「主力選手の離脱にも悩まされましたね」という質問に対する答えだ。確かに今季は菅野智之がメジャーに渡り、4番の岡本和真もケガで長期離脱。若きエース・戸郷翔征が不振に苦しむなど、厳しい条件で戦わざるを得なかった。記者は阿部氏を庇う趣旨で向けたのだが、山口氏はこう厳しく言い放った。
「だけど、それはどのチームでも起きることですよね。それを乗り越えていかねばなりません」
その後、「来季もちろん阿部監督に立て直してもらいます」と続投を明言した山口氏。だが、最近は若手の台頭が目立ちますね、という質問に対してはこう苦言を重ねた。
「それは楽しみな材料ではありますよね。頑張ってくれているとは思っています。もっともっと力をつけてくれないと優勝争いはできないですよね」
このように阿部監督をフォローする質問を二度も一蹴したのである。球団関係者は「もともと山口さんは阿部さんのようなタイプが好きではない」と話す。
「阿部さんは2軍監督時代、チームが大学生に負けた時、罰走を課したこともありましたが、山口さんはこういう体育会系的なノリが好きではない。今季の結果をみて、かなり厳しい見方をしているのは間違いありません」(球団関係者)
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