巨人・阿部監督続投でも山口オーナーが隠さなかった「不満」 「長嶋茂雄の遺志」とは別に「オーナーには意中の人がいる」

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あまりに茶番すぎる

 来季は阿部監督が続投するとして、では、山口氏はその次に誰を考えているのか。今世間で有力視されているのは松井秀喜氏である。

 長嶋茂雄終身名誉監督が6月に亡くなった直後から「松井次期監督説」は急浮上。理由は松井氏自身が「長嶋監督と生前、約束したこともあります」と匂わせ発言をしたからだった。8月31日に都内で行われたトークショーでは、松井氏はこの言葉について、

「監督との約束、言わなければ良かったと思って。いろいろと臆測を呼んでしまって。あの時は何か気持ちが高ぶってしまって。約束が何だったかは言えませんが」

 と相変わらずケムに巻いた。だが、こうもハッキリ語った。

「ジャイアンツの未来に自分自身が関わっても不思議はないかなと思っています」

 どう見てもやる気満々の様子だ。だが、球団関係者は「この流れの中で、すぐに松井氏だとあまりにも茶番すぎる」と否定する。山口氏の本命は桑田真澄2軍監督だと言うのだ。

「山口さんは桑田さんのような理論派が好きなのです。もともと原さんが連れてきた人ですが、途中、投手の起用方法でぶつかり険悪な関係になってからも、原さんが桑田さんを切れなかったのは、山口オーナーの覚えがめでたいと知っていたから。桑田さんもその意を汲み、阿部慎之助監督の下でも2軍を支え続けています。育成には定評があり、今季はリーグ最多得点&最少失点で2軍を優勝に導きました」(前出・球団関係者)

順番を飛ばせば桑田氏が拗ねる

 問題は、やる気満々の松井氏に待ってもらえるかだという。

「もちろん興行面を考えても、松井さんはいつか監督になってほしい候補。ただ桑田さんを飛ばし、コーチ経験なしで先に就任させたら今度はいよいよ桑田さんが拗ねてしまいかねない。松井さんのやる気は嬉しい反面、悩ましいのでは」(同)

 可哀想なのは続投が決まるも、すでに次の構想が語られ始めてしまっている阿部監督。厳しい状況を覆すには来季、奮起するほかない。

デイリー新潮編集部

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