沢口靖子「還暦で月9ヒロイン」に勝機はあるか 「『科捜研の女』のイメージが強すぎて…」

エンタメ 芸能

  • ブックマーク

 テレビ朝日の「科捜研の女」から沢口靖子(60)をもぎ取ったフジテレビは、10月6日スタートの月9ドラマ「絶対零度~情報犯罪緊急捜査~」の主役に据えた。シリーズ第5弾となる人気ドラマだが、これまで彼女が同作に出演したことはない。(前後編の後編)

 ***

 何しろ沢口がフジの連ドラに出演すること自体が35年ぶりなのだ。そのことについて彼女は、インタビューでこう答えている。

《35年と聞いて、もうそんなに経ったんだなと思いました。今回出演が叶いましてとても光栄に思っています。どの局の作品でも、お仕事に向き合う姿勢は同じです。初めてご一緒する方々もいますが、新たな出会いを楽しんで新しい自分を発信していけたらいいなと思っています》(「絶対零度~情報犯罪緊急捜査~」公式ホームページより)

 ちなみに「絶対零度」は刑事ドラマだ。言うまでもないが、沢口が演じるのは法医研究員の榊マリコではなく情報犯罪特命対策室(DICT)に所属する二宮奈美刑事だ。DICTとは総理と内閣官房副長官の直轄組織で、警視庁内の各課より集まった選りすぐりのスペシャリスト集団だ。そんな中で彼女は活躍できるのだろうか。

「2010年4月期に放送された『絶対零度~未解決事件特命捜査~』に主演したのは、当時まだ25歳の上戸彩でした。時効直前の未解決事件を検証し直す“コールド・ケース”と呼ばれる特命捜査対策室を舞台に難事件を解決していきました。Season2となる11年7月期の『絶対零度~特殊犯罪潜入捜査~』も上戸の主演で、特殊犯罪捜査対策室に異動となり潜入捜査の活躍を描きました。18年7月期のSeason3と20年1月期のSeason4の『絶対零度~未然犯罪潜入捜査~』では主演が沢村一樹となり、犯罪を未然に阻止する秘密部隊“ミハン”での活動を描きました。シリアスな話運びで切れ味鋭いアクションも売りの『絶対零度』シリーズに、のほほんとした沢口が合うのか――誰もが考えることだと思います。『科捜研の女』を25年もやっているとイメージが付きすぎて、どうしても榊マリコに見えてしまいますから」(民放プロデューサー、以下同)

芸歴40年

 沢口は1984年の第1回「東宝シンデレラ」オーディションでグランプリを獲得して芸能界デビュー。翌年には朝ドラ「澪つくし」(NHK)でヒロインを演じ、最高視聴率55・3%、平均視聴率44・3%を記録して国民的人気となった(ビデオリサーチ調べ、関東地区・世帯:以下同)。

「以来40年にわたり第一線で活躍してきたのは見事ですが、そのうちの25年は『科捜研の女』ということになります。正直言って、演技は『澪つくし』の頃から変わっていないと思いますし、『科捜研の女』は『水戸黄門』同様、いつもながらの筋書きに乗っかって一件落着ですから、それほど難しい役作りもありません。他のドラマも近年は単発ものばかり。はたして『絶対零度』にハマることができるのか、それともこれまでとは全く異なる『絶対零度』になってしまうのか。『絶対零度』が『科捜研の女』のようにほんわかしたドラマになってしまったら、ファンは怒るかもしれませんね」

 東宝芸能所属の沢口だが、意外なことに映画出演は多くない。

「21年に公開された『科捜研の女―劇場版―』が今のところ最後です。これだって長年続いたドラマのご褒美のようなもの。同じテレ朝の『相棒』は右京さん(水谷豊)の相棒が代わるたびに劇場版が公開されてきた。それと比べると扱いが異なります」

 この10月からスタートする「相棒」はSeason24、とうとう「科捜研の女」と肩を並べた。

次ページ:退路は断たれた

前へ 1 2 次へ

[1/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。