YouTubeで朗読され「今までで一番怖い話」と話題 異色のホラー作で「ドラえもん」を思い出した
遠藤雄弥インタビュー前編
俳優の遠藤雄弥(38)が主演を務める映画「男神」(井上雅貴監督、9月19日公開)。YouTubeで朗読され「今までで一番怖い話」と話題を呼んだ原作をもとに、家族愛とファンタジーを織り交ぜた異色のホラー作品だ。全国で母子の失踪事件が相次ぐ中、謎の「穴」に消えた息子を追って父親(遠藤)が禁忌の領域に足を踏み入れる物語。遠藤はどう受け止めたのか。(前後編の前編)
***
【写真】衝撃映像の連続…泥だらけの「岩橋玄樹」、タンクトップ姿の「須田亜香里」、映画「男神」の場面カット
第96回アカデミー賞でアジア映画として初めて視覚効果賞を受賞した「ゴジラ-1.0」で知られる山崎貴監督の「ジュブナイル」(2000年)で、子役としてデビューした遠藤。近年では「ONODA 一万夜を越えて」(2021年、アルチュール・アラリ監督)やインディーズながらロングランヒットを記録した「辰巳」(2024年、小路紘史監督)など、さまざまなジャンルでキャリアを重ねてきたが、ホラーは初挑戦だ。
「自分でも新鮮でした。趣味でホラー映画は観ていましたが、参加するのは初めて。どうなるのか正直探り探りでした」と遠藤は振り返る。
原作の朗読を耳にし「めちゃくちゃ怖かった」という遠藤だが、出演の決め手は脚本だった。日露合作の「ソローキンの見た桜」(2019年)で知られる井上監督は、アレクサンドル・ソクーロフ監督のロシア映画「太陽」(2005年)にメイキング監督として参加。3か月ロシアに滞在し、ロシアの映画製作を学んだキャリアの持ち主だ。
「井上監督からいただいた脚本は全然違っていて驚きました。ホラーなのに冒険や家族愛、ファンタジーの要素が盛り込まれていて、『これは面白い映画になりそうだ』とワクワクしました」
演じる和田は、失踪した息子を追って禁忌の穴に入る父親。「ホラー調ではあるんですけど、恐怖だけにとどまらない。家族を思う父親の姿に共感できるし、脚本の豊かさに惹かれました」
撮影は愛知県日進市と岐阜県下呂市で行われた。とりわけ日進市は全面的に支援し、工務店が重機を貸し出し、愛知牧場はロケ地を提供するなど、市を挙げて映画製作をサポートした。
「ホラー映画だと敬遠されがちなイメージもありますが、日進市の皆さんは市長をはじめ本当に協力的でした。おかげでなんとか撮り切ることができました」
[1/2ページ]


