大麻事件の陰で「自殺未遂」まで… 国士館大・柔道部では「未成年の飲酒、喫煙も常態化」

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 五輪連覇の故・斉藤仁さんや日本男子の鈴木桂治監督ら数々の名選手が輩出した国士舘大学柔道部。日本のお家芸を支える名門の看板を汚(けが)した不祥事の陰には、ただならぬもめ事が……。

 問題発覚は今年6月で、

「2年生4名と1年生2名、計6名が大麻の使用を認めたというものでした。現場は東京都町田市のキャンパス内にある鶴川寮。そこで部員93名のうち90名が生活していました」

 と、社会部デスクが言う。

「学生から“複数の部員が大麻を吸っている”との情報提供を受けて大学関係者が聞き取りを行った結果、大学側は6名が使用を認めたとして警察に相談。寮への家宅捜索で植物片や吸引器具が発見されました」

 大学は会見を開き田原淳子学長ら幹部が謝罪した。

「柔道部は無期限活動停止となっていましたが、ほかに関与した部員がいない事実が確認され、2カ月あまりで解除。8月25日に活動再開し、31日には部員22名が公式戦に出て3名が3位入賞を果たしています」

 一件落着。世間にはそう映っているかもしれない。だが大麻とは別の問題がいまもくすぶり続けているのだ。

“やっていないことを死をもって証明する”

 柔道部が活動を再開した8月25日までに、部員6名のうち4名が麻薬取締法違反の疑いなどで逮捕、あるいは書類送検された。

 ところが東京地検立川支部が起訴したのは2年生の樫原宏幸容疑者(20)だけで、ほか3名は不起訴。2名に至っては逮捕も書類送検もされていない。

 大学関係者の話。

「大学側と、元部員や保護者とがもめにもめています。大学は6名全員を8月7日付で退部させ27日前後に退学処分も通知。対する元部員側は“司法の判断が出ていない段階で勝手に事実認定し、退部処分を下した”と、プロセスを問題視している。大学は、退部後の彼らが懲戒委員会などで弁明しなかったとして退学にしました。正直、いささか拙速だったと思います」

 ある柔道部員の保護者は憤りを隠さない。

「“腐ったみかん”はさっさと放り出せ、との思惑があったとしか考えられません。学校側や部の指導者への説明は聞き入れられず、うつと診断された選手もいれば、実家で自殺を図った子も。その子は“自分はやっていないことを死をもって証明する”と書き遺し首をつろうとしました。すんでのところで親御さんが見つけ未遂で済んだそうです」

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