暴露系配信者の「情報」を鵜呑みにする危うさ…アインシュタイン稲田の人生は完全に狂ってしまった

エンタメ 芸能

  • ブックマーク

32歳の男が不正アクセス

 お笑いコンビ・アインシュタインの稲田直樹のインスタグラムのアカウントに不正にアクセスしたとして、32歳の男が逮捕された。この容疑者は、昨年7月から10月にかけて17回にわたり、稲田とプロスポーツ選手の2人のインスタグラムのアカウントに不正にアクセスした疑いが持たれている。名前や生年月日から推測したパスワードでログインを成功させて、アカウントを乗っ取ったのだという。【ラリー遠田/お笑い評論家】

 ***

 稲田のアカウントをめぐっては、不正アクセスがあったとされる時期に「性的な写真を送るように稲田から要求された」などと主張する人の情報が、暴露系配信者によってSNSなどで拡散された。稲田は関与を否定しており、不正にログインされた形跡があると語っていた。警察にも相談をしていたという。

 今回、容疑者が逮捕されたことで、稲田にかけられていた嫌疑は晴れた。しかし、疑惑の影が払拭されるまでには長い時間がかかった。SNSの世界では情報の流通スピードが速く、真偽が確認されないまま「本人がやったに違いない」と断定するような声が雪崩のように広がった。暴露系配信者の影響力は絶大であり、過去にも芸能人のスキャンダルを暴いてきた実績があったことから、多くのユーザーがその主張を鵜呑みにした。

 稲田は当時から必死に否定していたのだが、その言葉が真正面から受け止められることは少なかった。芸能人がSNSで実際に不適切なメッセージを送ってしまった疑惑が報じられた際に、「乗っ取られた」と釈明するのは珍しいことではない。そのため、世間の人たちも「稲田はよくある言い訳をしているだけだろう」と思ってしまったのだ。

 だが、今回の逮捕によってその見方は覆された。容疑者は稲田のアカウントのみならず、複数人のアカウントに不正アクセスを繰り返しており、同様の手口で数十人規模の被害を出していたと見られている。稲田はもちろん、彼以外にも被害に遭った人々がいたことを考えると、これは個人のスキャンダルなどではなく、れっきとした犯罪事件だった。

次ページ:ネット社会で情報拡散

前へ 1 2 次へ

[1/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。