「また内部昇格か…」 ヤクルト来季指揮官に「池山二軍監督」が最有力で広がる失望 イースタンリーグでも“ビリ独走” 過去には外様の「広岡、野村」で黄金期が
宮本、古田の可能性は
だからこそ、3年連続Bクラスに沈むチームの雰囲気を変えるためには、外部からの招聘も――そう願っていたファンも少なくない中、退任報道と同時に、まるで流れを作られているような「池山監督」報道が。これがファンを失望させた理由であろう。
池山氏のキャラクターにも賛否が集まる。
「現役時代からざっくばらんで、記者付きあいも良かった。一番仲の良かった選手が『長嶋一茂』であることからもわかるように、からっとしていてノリが良く、物事を深刻に受け止めないタイプです。指導者になっても、巨人の阿部(慎之助)監督のように“上から目線”の物言いをすることはなく、兄貴分的なノリで選手からも慕われています。しかし、今のヤクルトに果たしてそれが合っているのか……。来季は村上もメジャー移籍が確実で、戦力の大幅ダウンは必至。こんな時だからこそ、チームに活を入れ、背骨を作れるような、統率型のリーダーが適任という声もあります」(前出・デスク)
今回の監督人事に関しては、池山氏の内部昇格以外の選択肢もあった。
「OBではありますが、ぬるま湯を一層する選択肢で言えば、宮本慎也氏の招聘があります。PL学園出身の宮本は厳格な性格。彼が就任すれば、チームの“空気”は大きく変わるでしょう。2018~19年、宮本は将来の監督就任も視野に、当時の衣笠剛オーナーと小川監督によってヘッドコーチに呼ばれました。宮本は選手に徹底したハードトレーニングを課した。宮本ヘッドになった年から春のキャンプは1日10時間以上。古参のヤクルト担当記者が“こんなに長い時間スワローズのキャンプ取材をしたことはない”とぼやいていた。が、これが主力選手に大不評で、山田哲人に至っては“この後、宮本さんが監督になったら、どうしよう”と本気で心配していたほど。結局、わずか二年でコーチ生活を終えました」
直言タイプの宮本はフロントにも煙たがられたといい、
「その後、衣笠オーナーは亡くなり、GMになっていた小川氏も今季で退任した。後任のGMになるのは青木宣親ですが、宮本と青木は現役時代、プレーを巡って一触即発の状態になったこともあり、距離がある。宮本監督の実現は、かなり薄くなったと言えるでしょう」
さらに、やはりOBではあるが、空気を入れ換えるという点でよく名が挙がるのは、古田敦也氏だ。しかし、
「一度選手兼任監督を務めましたが、成績は振るわなかった。引退後は評論家やタレント活動が忙しく、指導者経験を積んでいない。球界再編騒動の際は、プロ野球労組の選手会長として、ストライキを主導した。16球団制を唱えるなど、物言うイメージが強く、ファミリー主義のヤクルトのフロントからは、コントロールできない存在と受け止められている。彼の就任も当面はないでしょう」(同)
結果、「池山昇格」という「予定調和」的な線に落ち着いたわけだ。
「池山の後は、GMになった青木が就任するはず。その後は、今45歳で現役の石川雅規投手か。それくらい、内部では流れが決まっているのです」
強化より「つば九郎」
本来、こうしたルーティンの人事に異を唱えるのは、株主の役目だ。しかし、今年6月に行われた親会社・ヤクルトの株主総会では、弱すぎるスワローズの強化問題についての質問は一切出ず。野球で話題になったのは、2月に担当スタッフが急逝した球団マスコット・つば九郎の後任問題だった。問われた林田哲哉球団社長兼オーナーは「(復帰は)基本的には来シーズンくらいと思ってもらっていい」とつば九郎の再復帰を示唆したが、ヤクルトの株主にとってはチームの監督問題よりもつば九郎の後任問題の方が重要なのである。
ファミリー球団として歩み続ける、東京ヤクルトスワローズ。再び、暗黒時代へと入るのでは――。ファンはそんな恐怖を抱いているが、果たして「池山新監督」はそれを払拭できるのだろうか。




