熾烈な首位争いを制して「日ハム」優勝はあるか? 完投数“12球団トップ”、新庄監督の「投げさせて鍛える」投手起用がカギに
新庄監督の執念
パ・リーグの優勝争いが面白くなってきた。
首位・福岡ソフトバンクホークスとのゲーム差は「2」(9月4日現在)。8月31日の楽天戦を落とし、2位・北海道日本ハムファイターズは2連敗となった。前カードまで15勝4敗1分けと大きく勝ち越していたため、「29日からの楽天3連戦中に首位奪還もあるのではないか」と囁かれていたのだが……。
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「31日の試合は延長にもつれ込みました。新庄剛志監督(53)は延長11回、無死二塁で万波中正(25)に代打を送っています。彼の打撃は下降ぎみですが、本塁打19はリーグ3位。代打を告げられたとき、エスコンフィールドのスタンドがざわつきました。驚きもあったでしょうが、新庄監督の勝利への執念が伝わったのではないでしょうか」(地元メディア関係者)
犠打でランナーは三塁に進んだが、あと一本が出ず……。
「楽天との3連戦は、日本ハムの1勝2敗でしたが、この間、ソフトバンクも千葉ロッテに1勝2敗と負け越したため、この時点での両チームのゲーム差は1でした。」(スポーツ紙記者)
新庄剛志監督は「投手もよく投げた。終わったことはすぐ忘れて、また次に」と前向きに語っていた。しかし同日、やはり連敗を喫したソフトバンク・小久保監督のコメントは対照的だった。
「打つ、打たないは仕方がない。でも、野球には間がある。その間で何も考えられないようではプロじゃない。恥ずかしい。この時期にこんな野球をして」
走塁ミス、牽制死などが重なり、相手チームを調子づけてしまった。この時期、些細なミスが命取りになることを改めて強調していた。というのも、ソフトバンクは優勝マジックナンバー点灯が目前だった。8月22日からの日本ハムとの直接対決の初戦か第2戦を勝利していれば、「マジックナンバー27」が点灯するはずだった。しかし、結果は日本ハムの3連勝。この時点でゲーム差が「1」に縮まり、そのまま僅差の攻防となっている。
「ソフトバンクは移動日を含めた10日間8試合の長期遠征を、2勝6敗と大きく負け越してしまいました」(同)
この長期ロードの最初のカードが、日本ハム3連戦だったのだ。新庄監督の優勝への執念がソフトバンクの歯車を狂わせ、諦め掛けていた日本ハムナインに再び火を点けたと言っていい。
ソフトバンクとの3連戦はまさに「執念のタクト」だった。1点を争う攻防となった第一戦、新庄監督は勝ち越しに成功した7回に、守備固めでレフトに五十幡亮汰(26)、センターに矢澤浩太(25)を入れた。しかし、単に俊足の外野手を守備につけただけではなかった。この回先頭のソフトバンク・近藤健介(32)を内野ゴロに仕留めると、新庄監督は再びベンチを出た。次打者・山川穂高(33)を迎えるに当たって、レフトの五十幡をセンターに、センターの矢澤をレフトへと入れ替えた。そして、5番・中村晃(35)が打席に向かうと、再び「レフト・五十幡、センター・矢澤」に戻す。
「クリーンアップから始まるソフトバンクの攻撃をゼロに抑え、日本ハムの勝ちムードとなりました」(同)
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