米女子ゴルフで「日本勢」猛攻、ルーキーランキング上位独占…ついに実証された「小林浩美会長」の“先見の明”

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ランキング1位から4位を独占

 現在、ルーキー・オブ・ザ・イヤーのランキングでトップを走っているのは竹田だ。彼女は2024年に日本で開催された日米共催のTOTOジャパンクラシックを制し、米LPGA初優勝を挙げた。だが、正式メンバーとして挙げた今季のブルーベイLPGAでの優勝こそがルーキー優勝と見なされ、7度のトップ10入りでもポイントを稼いでルーキー・レースの先頭を快走している。

 竹田に続いてルーキー・レースの2位に付けているのは、今年の全英女子オープンを制した山下で、彼女もトップ10入りは8度と高い安定性を示している。そして3位は岩井姉妹の妹・千怜、4位は姉・明愛と続く。

 5位には冒頭で触れた中国のワン、6位にはイングランド出身のロティ・ウォードが続いている。ウォードはアマチュアだった今季のエビアン選手権で優勝争いに絡み、その直後にプロ転向するやいなや、プロデビュー戦となったISPS HANDAスコットランド女子オープンでルーキー優勝を挙げた。

 そして7位には、今年4月のJMイーグルLA選手権で岩井明愛を下してルーキー優勝を挙げたスウェーデン出身のイングリッド・リンドブラッドがいる。

 ウォードもリンドブラッドも米国のカレッジゴルフで活躍し、世界アマチュアランキングで上位にランクされるなど、華やかなアマチュア時代を経てLPGA選手になった米女子ゴルフ界のエリート・ルーキーのはずだ。そんな彼女たちを抑え込み、4名もの日本勢がルーキー・レースの上位を占めていることは、世界のゴルフ界にとっては驚き以外の何ものでもない。

 リンドブラッドも「とにかく、クレージーだわ(ありえない、びっくりの意)」と絶句している様子である。

米専門誌が異例の「岩井姉妹特集」

 米ゴルフウィークが「LPGA初の双子優勝、チサト&アキエ・イワイに会ってきた」と題して、岩井姉妹の特集記事を大きく掲載したことは、米国のゴルフファンを少々驚かせたことと思う。米メディアが米国出身ではない選手の大特集を組むことは、決して多くはないからだ。

 しかし、ルーキー・レースの上位4名が日本勢で、5位は中国、6位は英国、7位はスウェーデンの出身選手という現状下では、もはや米国出身かどうかにこだわってばかりはいられないというところなのだろう。

 そして、国籍はさておき、「米LPGA史上初の双子優勝」は、間違いなくユニークな記録ということで、岩井姉妹の異例の特集が組まれたのだと思う。

 その内容は実に詳細だった。その昔、母親が多忙な際に父親が幼い明愛と千怜を自宅近くのゴルフ練習場に連れていったことが姉妹のゴルフの始まりだった、という逸話はもちろんのこと、小中学校時代は2人ともゴルフ・オンリーではなく、陸上やサッカーなどにも打ち込んだ末、ゴルフに一本化したといった経緯も紹介されていた。

 米LPGAで、ほぼ全試合に同行している父親と母親は、毎ラウンド、二手に分かれて2人の娘を交互に応援しているそうだ。「どうやって分担するかを決めるビッグボスは妻の恵美子です」という父・雄士氏の喜びに満ちたコメントも、しっかり記されていた。

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