佐々木朗希「リハビリ登板」も初回に2被弾4失点…防御率7点台では「メジャー昇格はムリ。今シーズンはほぼ終了」と専門家 「課題は球速より球種」
MLBドジャースの投手・佐々木朗希は9月2日、傘下3Aコメッツの投手として対スペースカウボーイズ戦に先発出場した。結果は5回69球を投げて3安打4失点、2奪三振、3四死球。1回2アウトから2本のホームランを打たれたほか、球速も最速で156キロ。ロッテ時代の剛速球が復活することはなかった。
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佐々木は5月中旬に負傷者リストに入り、今回を含めて4回目の“リハビリ登板”に挑戦した。だが、いずれも首脳陣を納得させる投球内容ではなかった。メジャーリーグ研究家の友成那智氏は「これで実質的に佐々木投手の今シーズンは終了しました」と言う。
「3Aの試合に4回登板し、防御率が7・07です。とてもではありませんが、メジャーで投げられる成績ではありません。そもそも3Aの防御率が4点台でもメジャー昇格はあり得ないぐらいです。レギュラーシーズンの最終盤、1試合に“お試し先発”する可能性があるかないかというところでしょう。皮肉なことに9月は佐々木投手のボブルヘッドデーが予定されているはずです。1軍の試合に投げられない投手の首振り人形が配られるというのは、よくあることではないと思います」
友成氏は「速球の失投をホームランされたことが印象的でした。真ん中高めの甘いコースを打者は見逃しませんでした」と振り返る。
「気になるのは打たれた2本のホームランのうち、1本の球速は約152キロしか出ていないことです。MLBでは160キロ台の直球は普通になってきています。そのため152キロは極めて凡庸なスピードと言わざるを得ません。しかも失投で真ん中高めですから、これでは3Aの打者でもホームランを打てます。実は佐々木投手の直球が通用しない傾向はロッテ時代から浮上しており、昨シーズンにおける直球被打率は約3割です。佐々木投手と言えば剛速球で打者を次々に三振に打ち取るというイメージが強いわけですが、現実は全く違っているのです」
直球もスプリッターもダメ
直球のスピードが落ちていることも大問題だが、球種も減っているという。
「かつての佐々木投手は160キロ台の直球、スライダー、そしてアメリカではスプリッターと呼ばれるフォークが持ち玉でした。ところが今シーズンはスライダーが通用せず、封印状態となっています。さらに一部のアメリカメディアはシンカーを習得したと報じましたが、私は投げたのを見た記憶がありません。今の佐々木投手は150キロ台の直球とスプリッターしか投げていないと言っても過言ではないのです」(同・友成氏)
2奪三振と佐々木にしては物足りない数字だったのも、直球とスプリッターのコンビネーションが機能していないからだという。
「落ちる球の威力を増すためには、直球の伸びがカギになります。釣り球として高めの直球で空振りさせ、打者の目線を上げさせます。そして次にスプリッターを投げると、実際より落差を感じて三振してしまうわけです。ところが今の佐々木投手は直球に勢いがありません。実際、9月2日の試合では高目の直球が釣り球にならず、ホームランを打たれてしまいました。直球の威力が減少したためにスプリッターの効果も薄れ、佐々木投手は苦戦していると考えられます」(同・友成氏)
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