「セ」は阪神独走、「パ」は2強激戦で今秋「CS不要論」は過去最大に? これまでの「下克上確率」は20%
CS制度の廃止は非現実的?
過去のパ・リーグに、今季と酷似する状況があった。それが2014年と22年のペナントレースだ。どちらの年もソフトバンクとオリックスが熾烈な首位争いを展開し、14年はシーズン最終盤に、22年はシーズンの最終日に優勝が決定。14年はソフトバンクが、22年はオリックスがそれぞれ栄冠に輝いた。
ただ、14年はCSファーストステージで3位の日本ハムが2位のオリックスを撃破。さらにCSファイナルでも日本ハムが逆王手をかける展開となった。この時はファイナル最終戦でソフトバンクが勝利し、日本ハムの下克上は叶わなかったが、2強で最後まで盛り上がったシーズンに3位チームが日本シリーズに進出していた可能性があった。
いずれにしても、今季どちらかのリーグで下克上が起これば、多くのファンからCS不要論が出てくるだろう。上位がセ・パ両リーグとも批判が出やすいゲーム差となっているだけに、過去最大級の「不要論」が持ち上がる可能性すらある。しかし、興行面や収益の観点からCSの制度を廃止することは現実的でなくなっているのもまた事実。今季のペナントを例にとっても、CSがなければセ・リーグは多くの試合が“消化試合”となっていた。現行制度のおかげで、阪神以外の球団やそのファンにCS争いというモチベーションをもたらしている。
それを踏まえた上で、やはり今年のCSの結果次第では、ゲーム差によってアドバンテージに強弱をつけたり、そもそも負け越したチームはCSから除外したりするなど、様々な案が出てくるだろう。今年も完璧な答えがない“秋の風物詩”と化した議論が始まっている。
ちなみに、過去のCSをシーズン優勝チームが勝ち抜けなかった確率は、セ・パ両リーグ合わせてちょうど20%である。



