「セ」は阪神独走、「パ」は2強激戦で今秋「CS不要論」は過去最大に? これまでの「下克上確率」は20%
上原浩治氏がCS制度に提言
例えば元メジャーリーガーの上原浩治氏は、TBS系「サンデーモーニング」に生出演した際に、セ・リーグの2位以下のチームが負け越している状況を踏まえて、「日本シリーズに出て優勝したら、どうなの?っていう疑問が残りますよね。何かルールを作ってほしいなと思います」と苦言を呈し、「やっぱり阪神に(日本シリーズに)行ってもらうくらいのルールを作った方がいいんじゃないかなって気はします」と、不公平な現行制度に対する提言をしている。
実際に阪神が日本シリーズ進出を逃す可能性はゼロではない。実際にCSが2007年に始まって以降、2位もしくは3位のチームが下克上を成し遂げ、ペナント覇者の日本シリーズ進出を阻んできた例もある。その数はセ・リーグだけで昨季までの17回中、4回を数える。
これまで下克上を許したのはのべ4チームあるが、その中で公式戦で2位チームに最も大差をつけたのが2017年の広島だった。その年は2位の阪神に10ゲーム差をつけた広島がリーグ連覇を達成したが、CSファイナルで3位から勝ち上がったDeNAにあえなく敗れ去った。
今季の阪神は2位に10ゲーム以上の差をつけて優勝することはほぼ確実で、そうなれば、8年前を上回る“反発”も予想される。特に公式戦で負け越したチームが日本シリーズに出場する事態になればなおさらだろう。阪神にとって怖いのは、唯一対戦成績で負け越している中日がCSに勝ち上がってくることではないか。
熱パに水を差す可能性も
そんなセ・リーグに対してパ・リーグはどうか。今季は新庄剛志監督率いる日本ハムが開幕ダッシュに成功し、首位を快走していたが、夏場を迎えてソフトバンクが逆襲に成功。一気に日本ハムを抜き去り、その後は“2強”が一進一退の攻防を繰り広げている。現在、その差はわずか1ゲームだ。
2強に続く3位争いはオリックスが頭ひとつリードしている。さらに4位の楽天と5位の西武にも辛うじてチャンスは残されている状況だ。セ・リーグとパ・リーグで異なるペナント争いとなっている中で、パ・リーグにも“CS不要論”が出るかもしれない。
今季のパ・リーグは公式戦の最終戦で優勝が決まるようなドラマチックな展開も予想される。その上で、改めて行われるCSに対して拍子抜けと感じてしまうファンも出てくるだろう。また、ソフトバンクと日本ハムがCSファイナルで対決するならまだ格好がつくが、大きく離された3位チームが進出してくれば、微妙な空気が漂うのは間違いない。
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