ねちねちと新聞記者を詰める「石丸氏」は「かっこいい大人」か…かつて支持した識者も「パワハラ上司が部下を追い詰めているような印象」

国内 政治

  • ブックマーク

朝日の次は日経

 最後は朝日記者に「偉くなって朝日を変える」、「早々に朝日から抜ける」、「全然違うなら反論してもらう」──このいずれかを実現してほしいと要求して“朝日批判”は終わった。

 まさに大演説だった。しかし結局のところ朝日新聞の「都議選と参院選で全敗」という見出しが不満だったとしか感じられない内容だった。

 Xで石丸氏は“粘着質”と評されることがある。実際、この退任会見でも石丸氏の“メディア批判”は、さらに続いた。

 次にやり玉に挙げたのは日本経済新聞。会見に出席しているのは顔見知りの記者でないことを確認すると、「日経新聞も記事、電子版に書いて下さっていたと思うのですが、あの写真はどなたがどういう意向で選ばれたのですか?」と質問した。

 石丸氏は電子版の記事に「目をつぶった自分の顔写真」を使われたことを強く問題視。もし、この写真選定に問題がないと主張し、今後も続けるというのであれば、会見の様子は動画で撮影している。たまたまぼーっとしていた日経記者の表情を切り取り、「記者会見に対して日経新聞の記者、退屈そうに参加する」というキャプションで配信すると“通達”した。

日経記者を脅迫!?

 こんな写真の使い方は「許されるのか?」と石丸氏は問題提起。そして日経記者の顔写真を配信に使っていいのか、記者に確認を求めると、氷のような笑顔を浮かべた。記者が「私は何とも言えません」と答えると、石丸氏は「普通はやらない」とは口にした。

 気になるのは、上記のやり取りは石丸氏が日経記者を“脅迫”したようにも聞こえる点だ。脅迫が言い過ぎなら「強く圧力をかけた」でもいい。

 ITジャーナリストの井上トシユキ氏は都知事選の際、石丸氏に期待するところがあった。広島県安芸高田市の市長時代、ごく普通にインターネットを活用して市政の可視化を実現し、ネット上で共感の声を集めることに成功した。同じ手法で都政改革に挑む可能性を感じたという。

 都知事選の投票終わると、石丸氏が開票速報番組のインタビューでアナウンサーや記者、ゲストに噛みつく姿に批判が集中した。

 井上氏は「石丸氏の支持層はマスコミ=マスゴミと認識しているので、決して間違った戦略ではない」と擁護した上で、「ただし今後はオールドメディアも含めて積極的に取材に応じるべき。何ならワイドショーのコメンテーターをやる方法もある。ネットに限らず広く露出を増やし、支持者の裾野を広げるべき」と、“イメージチェンジ”をアドバイスした。

次ページ:パワハラ上司を連想

前へ 1 2 3 次へ

[2/3ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。