「デコトラが警察に目をつけられ、逮捕者も…」 大ヒットした「トラック野郎」終焉の理由とは 「興行的にも下火になり“もういいんじゃないか”と」

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「警察に目をつけられ、逮捕者も」

 さて、回を重ねるにつれ、順調だったシリーズも次第に陰りが見えてくる。

 福永が述懐する。

「全国でデコトラを使ったキャンペーンを展開していたのですが、もともと警察から目をつけられていたんです。飾りを付け過ぎて大きくなり過ぎると、違法ですからね。そして、実際に関係者が逮捕されてしまうこともあって、自粛ムードも漂ってきました。興行的にも下火になってきたところで“もういいんじゃないか”ということになったようです」

 とはいえ、第1作から50年を経てもなお、熱烈なファンが多い。衰えぬ人気のワケを、宇崎はこう推測する。

「世の中や体制に向かって“こん畜生!”というような根性が、この映画にはすし詰めになっていたんだと思います。そこが受けたんじゃないでしょうか」

 あべにとっての魅力は、

「やっぱり男気というか、結局、人と人とがつながっている、助け合うところですね。今は当時よりも連絡手段が増えましたが、『トラック野郎』の人たちのようにハートを動かして、自分で動いてくれるかどうかは分からないですから」

 今こそ、見直すべき映画シリーズなのだ。

 前編【“そろそろヤクザも限界かな” 「トラック野郎」に菅原文太が出演を決めた秘話 ワンシーンに出演した宇崎竜童は「出演料をもらったのかどうかもよく分かんない」】では、「トラック野郎」誕生秘話について、当時宣伝を担当していた、元東映宣伝部長の福永邦昭、テーマ曲を作曲し出演も果たした宇崎竜童の証言を紹介している。

週刊新潮 2025年8月28日号掲載

特集「『宇崎竜童』『あべ静江』『笑福亭鶴光』が明かす 映画『トラック野郎』50周年“撮影秘話”」より

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