「デコトラが警察に目をつけられ、逮捕者も…」 大ヒットした「トラック野郎」終焉の理由とは 「興行的にも下火になり“もういいんじゃないか”と」
「警察に目をつけられ、逮捕者も」
さて、回を重ねるにつれ、順調だったシリーズも次第に陰りが見えてくる。
福永が述懐する。
「全国でデコトラを使ったキャンペーンを展開していたのですが、もともと警察から目をつけられていたんです。飾りを付け過ぎて大きくなり過ぎると、違法ですからね。そして、実際に関係者が逮捕されてしまうこともあって、自粛ムードも漂ってきました。興行的にも下火になってきたところで“もういいんじゃないか”ということになったようです」
とはいえ、第1作から50年を経てもなお、熱烈なファンが多い。衰えぬ人気のワケを、宇崎はこう推測する。
「世の中や体制に向かって“こん畜生!”というような根性が、この映画にはすし詰めになっていたんだと思います。そこが受けたんじゃないでしょうか」
あべにとっての魅力は、
「やっぱり男気というか、結局、人と人とがつながっている、助け合うところですね。今は当時よりも連絡手段が増えましたが、『トラック野郎』の人たちのようにハートを動かして、自分で動いてくれるかどうかは分からないですから」
今こそ、見直すべき映画シリーズなのだ。
前編【“そろそろヤクザも限界かな” 「トラック野郎」に菅原文太が出演を決めた秘話 ワンシーンに出演した宇崎竜童は「出演料をもらったのかどうかもよく分かんない」】では、「トラック野郎」誕生秘話について、当時宣伝を担当していた、元東映宣伝部長の福永邦昭、テーマ曲を作曲し出演も果たした宇崎竜童の証言を紹介している。
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