“あいみょん騒動”で分かった根強い“タトゥー”アレルギー 美容専門医が明かす「年間5000人が除去施術」「若気の至りと後悔する人は多い」知られざる実態
除去施術は4方法
「つまり年間で約5000人というところで、確かに年々増えている印象です。除去の施術は基本的に4つあります。第1はレーザーをタトゥーに当てることで色を取ります。第2は切除縫縮。タトゥーを入れた皮膚を切り、縫い合わせることで1本の傷にします。施術後はガラスで切ったような傷跡だけが残ります。第3が剥削、第4が皮膚移植。タトゥーの範囲が広かったり、レーザーに反応しにくい赤色や黄色のタトゥーを消したりするために使われます。剥削は皮膚の表面を削り、残った色をレーザーで消します。皮膚移植は太ももや背中の皮膚を使います。どちらも施術後は火傷の跡のようになります」(高須院長)
気になる価格だが、高須クリニックでは公式サイトで料金を明示している。例えばレーザーなら1センチ×1センチで1万1000円(税込)、剥削ならハガキ大サイズで55万円(税込)──という具合だ。
これまでタトゥーの弊害を伝える新聞記事では「タトゥーを入れると体に悪影響がある」と指摘することが多かった。だが、それは過去の話のようだ。
タトゥー=反社会的勢力
「昔はタトゥーを入れる際、彫り師が針を使い回しすることがありました。そのためB型肝炎やC型肝炎、HIVなどに罹患することもあったのです。しかし今では滅菌した針を使っている彫り師が多数でしょう。他にも、かつてはタトゥーの色素に金属成分を含むものがあり、その場合はMRI検査が受けられないといった弊害がありました。しかし、現在の色素にほとんど害はありません。女性がメイク代わりに利用する眉のアートメイクも針で色素を入れるわけですからタトゥーと大差ありません。最近のタトゥーは安全性が高くなったと言えるとは思います」(同・髙須院長)
たとえ健康に害はなくとも、タトゥーを除去したい──こう考える人が増えているのは、いわゆる“ライフステージ”と関係があるという。
「タトゥーを入れた自分の体に満足している人もいます。その一方、『若気の至りで入れてしまった』と後悔する人も少なくありません。最近は欧米だけでなく、日本の芸能人もタトゥーを入れていますし、サッカーのW杯でも人気のサッカー選手の腕にはタトゥーが目立ちます。これに憧れる若者がいるわけですが、少なくとも日本でタトゥーを入れている人は、反社会的勢力だと見なされることが多いわけです。銭湯、スポーツジム、公共施設などの利用は制限されます。率直に申し上げますが、日本で体にタトゥーを入れることは、自分で自分を『生きづらい状態』に置くことだと言えます」(同・高須院長)
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