加藤ローサの離婚はなぜ共感と怒りの炎を巻き起こすのか 「モラハラ臭」を敏感に嗅ぎつける令和の女性たち

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はんにゃ・川島夫妻の離婚にも「モラハラ」疑惑 令和の価値観に合わない「亭主関白」というキャラ

 モラハラとは、言葉や態度による精神的な暴力を指す。近年、身体的DVに比べて「見えにくい暴力」として注目を集めており、夫婦関係の「静かな地獄」を生むものとして認知されてきた。

 加藤さんの離婚報道で騒がれたのも、「職場では大活躍の好青年、でも家では別人」という典型的なモラハラの構図を見た人が多かったからかもしれない。加藤さんがメディアで語った生活のズレや育児での孤独に、同じように家庭で「見えない苦しみ」を抱えている女性たちが共鳴し、拡散されていったのではないだろうか。

 実際、芸能界には「夫のモラハラ」がうわさや報道で表面化したケースが他にもある。例えば、お笑いコンビ・はんにゃの川島章良さんと元妻の菜月さん。7月に離婚を発表したが、それ以前から夫のモラハラ疑惑はたびたび話題になっていた。出血多量で意識不明になるほどの出産だったにもかかわらず、産後2週間でテレビ取材を強行されたこと。家庭内の役割分担に対して「俺より稼いでから言えよ」との発言があったこと。600万円もの借金を、事後報告で告げられたこと。ママ向け雑誌のインタビューやブログで明らかになった数々のエピソードを知っていた人たちからは、離婚は当然という声も上がった。

 さらにさかのぼれば2015年3月放送の「私の何がイケないの?」(TBS)で炎上した栗田貫一さんのケースもある。夫婦の密着VTRが放送され、妻で女優の大沢さやかさんに対して「頼むから死んでくれ」「殺していい?」などと強烈な言葉でなじる姿は、バラエティーの演出を超えていると批判が殺到した。

 今や、彼らのような昭和的「亭主関白」は問答無用で斬られる時代なのだ。「妻より稼いでいるから家事はしない」「俺が言ってるんだから正しい」といった価値観は、家事育児への参加や共働きが当たり前になった令和の感覚とは大きく食い違い、摩擦を生む。つまり単純に女性が強くなったというよりは、社会全体が「不平等」に対して敏感になってきたのである。

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