SNSだけでなく万博でも…なぜコスプレイヤーはたびたび“炎上”するのか? “生誕祭”では高級シャンパンにデート特典も

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生誕祭まで開催

 人気のあるコスプレイヤーは同人誌即売会やイベントなどで写真集を手売りしている例もあり、一種のアイドルのような様相を呈している。そのうえ、一部のコスプレイヤーは、キャバクラやガールズバーの女子のようなイベントまで行っている。いわゆる“誕生祭”を行うコスプレイヤーが非常に増えているのだ。

 SNSで約5万人のフォロワーを抱えるコスプレイヤーは、誕生祭でドンペリやエンジェルなどの高級シャンパンを販売し、20万円以上払った人には一緒にデートしたり、一対一の撮影会ができる特典まで付与していた。

 これは果たして、コスプレイヤーとして健全なあり方なのだろうか。筆者には“推し活”の枠を超えているように思えて仕方ない。「キャラのイメージを使って商売しているではないか」と批判されるのも、当然のことであろう。

 同人誌即売会で、自身のコスプレ姿のアクリルスタンドを頒布しているコスプレイヤーが叩かれたことがあった。また、変顔をしたコスプレイヤーには「キャラのイメージを壊している」と批判が集中したこともあった。にもかかわらず、こういった露出度を高めたコスプレイヤーの“ギリギリの行為”がそれほど問題にならないのは、なぜだろうか。

本来のコスプレの在り方とは

 本来、コスプレはキャラクターへの愛情表現の一環として行われるものであった。同人誌がキャラや作品への愛情表現として製作されるのと同じである。しかし、1990年代から同人誌即売会に通っているというアニメファンは、「コスプレが美貌を競う場になってしまった」と嘆く。

「生誕祭を行って稼いでいるコスプレイヤーは、キャラクターよりも自分のことが好きなように思えて仕方ない。さらに言えば、お金が好きなように思えてなりません。写真集を製作して頒布するならファン活動の一環だと思いますが、誕生会の開催は明らかにやりすぎです。

 ましてや、デートの権利まで売り出すのは、さすがにコスプレイヤーから大きく逸脱している。明らかに儲けに走っているし、キャラのイメージを壊している。周りのコスプレイヤーがやっているからと、真似してやってみた人も多いかもしれません。しかし、これが野放しになっている現状では、トラブルが起きるのではないかと心配です」

 一般人からすると、大阪・関西万博にコスプレで入場する人よりも、こういった過激な露出をするコスプレイヤーの方が、公共の風紀を乱しかねず、明らかに問題だと思う。筆者のそういった感覚はおかしいだろうか。前出のアニメファンが危惧するように、コスプレイヤーが性犯罪に遭うトラブルも多いと聞く。何か起こる前にコスプレイヤーの界隈でも、自主規制が必要だろう。互いに注意し合うなどの対応が求められるのではなかろうか。

ライター・宮原多可志

デイリー新潮編集部

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