SNSだけでなく万博でも…なぜコスプレイヤーはたびたび“炎上”するのか? “生誕祭”では高級シャンパンにデート特典も
近年、SNSでコスプレイヤーの界隈が何かと騒がしい。以前から騒動が起こることが多かった界隈だが、大阪・関西万博にある漫画のコスプレで入場したコスプレイヤーについて、その是非に関する賛否両論が巻き起こり、ネットニュースなどSNSを騒がせたのは記憶に新しい。【文・取材=宮原多可志】
公共の場でのコスプレはマナー違反?
議論になったのは、公共の場でコスプレをするのがマナー違反なのかどうか、というテーマである。だが、そもそも公共の場でコスプレをすることを禁ずる法律は何もない。ましてや、大阪・関西万博はコスプレでの来場が認められており、まったく問題がないといえる。あくまでも“界隈ルール”に過ぎず、暗黙の了解でマナー違反、とされているだけのことなのだ。
日本でコスプレは一定の市民権を得た印象がある。ハロウィンでコスプレを行うのは定番化しているし、市街地をコスプレで練り歩いたり、撮影会を行ったりするイベントは日本各地で普通に開催されるようになった。筆者は地方の夏祭りでもアニメキャラのコスプレを目にしたことがあるし、テレビでは芸能人からアナウンサーまでコスプレをする場面が増えている。
しかし、コスプレイヤーの界隈には、細かな“掟”が多く存在し、悪く言えば“めんどくさい”のである。上記のように、コスプレは公共の場で行うのではなく、イベントや撮影会などで行われるものという、暗黙のルールを主張する人がいるのだ。あるコスプレイヤーは、「衣装は更衣室で着替えるのが鉄則」であり、「コスプレ衣装のまま電車に乗ったり、直接イベントに行ったりすることは厳禁」という旨の発言をしていた。
こうした掟を破った人に対しては、猛烈なバッシングが行われることが少なくない。まるで昭和時代の村社会のようだ。また、一部のコスプレイヤーに対しては「キャラクターのイメージを壊している」「コスプレイヤーを名乗らないでほしい」などの意見がSNSで飛び交う。ほとんど難癖に近いが、感情論だからこそバッシングは際限なく続くというわけである。
コスプレイヤーの露出度が上がる
その一方で、界隈ではなく、社会的に問題になりつつあるのは、過度に露出度の高い衣装を身に着けたり、撮影時に卑猥なポーズを取ったりするコスプレイヤーが急増している件である。InstagramやXなどでコスプレイヤーの画像を検索してみてほしい。明らかに露出度が高い衣装を着ている女性が目に付く。尻を大きく強調したり、胸の谷間にピントが合った写真を載せている例もある。
そういったコスプレを、いくらイベント会場とはいえ、公共の場で行っている人は少なくない。なかには、10代と思われる女性が、目のやり場に困ってしまう衣装をまとっている例もある。そんな露出度をウリにしたコスプレイヤーの写真には“いいね”が数千件、場合によっては万単位でついていることもある。当然、フォロワーも大変な数になっている。
露出度の高い衣装が多いのは、主にネットゲームが原作の作品である。批判に対し、あるコスプレイヤーは、「もともとゲームの衣装が露出度が高いデザインになっている」「キャラへの愛情表現」と主張していた。しかし、明らかに男性ファンの獲得を意識し、露出度限界の刺激的な写真も見られるし、性的なニュアンスを匂わせるコメントを書いているコスプレイヤーもいる。
コスプレイヤーの“美貌”は20年前と現在では大きく変化している。地下アイドルをしていた人がコスプレイヤーになった例も多い。また、明らかにキャラのイメージにそぐわないセリフを口にしたり、おそらくアニメを一度も見ていないのに衣装をまとったりしている人も見られるようになってしまった。
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