「田中将大」が“V字回復”した理由 「伝家の宝刀」スプリットを劇的改善 200勝をアシストする「阿部」ではない“名監督”とは

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広島・小園との対決がカギ

 田中将は28日の広島戦に先発予定だが、5月1日の対戦時には、スプリットで空振りを1つも奪えず、3イニングで8安打3失点を許した。ただ、今の広島打線を見ると、田中将には追い風が吹いているといえそう。今季の田中将は右打者を被打率.218に抑え込んでいる一方で、左打者には同.404とやや苦戦している。

 対峙する広島打線は、ファビアン、モンテロ、末包昇大など一発のある打者は右打ちが多い。小園海斗や坂倉将吾といった巧打の左打者もいるが、坂倉は7月以降の打率が1割台と低迷中。目下セ・リーグ首位打者の小園をしっかり抑えることができれば、200勝が一気に近づくはずだ。

 巨人にとって悩ましいのは、現在ロード12連戦中で、本拠地・東京ドームでの試合が9月9日までないこと。本拠地での200勝達成がチームにとっても理想のシナリオとなるが、今の田中将の状態なら一発回答で200勝を達成する可能性は十分あるだろう。

 わずか7シーズン、25歳の誕生日を前に通算99勝に到達した田中将。199勝目は、それから10年以上の月日を要したが、次の1勝をあっさりと手にすることができるだろうか。

八木遊(やぎ・ゆう) スポーツライター
1976年生まれ。米国で大学院を修了後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLなどの業務に携わる。現在は、MLBを中心とした野球記事、および競馬記事を執筆中。

デイリー新潮編集部

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