「やっかみですよ」人気YouTuber社長がネットで嘲笑の的の「残クレアルファード」を「実は勝ち組」と擁護するワケ

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金利は4.9パーセント

 残クレは、契約時に車の将来価値(残価)をあらかじめ設定し、その分を差し引いた金額でローンを組むことで月々の支払額を抑えられる自動車ローンだ。

「アルファードの場合、5年で設定する人が多いです。5年経過すると、車の返却(下取り)、残価の一括購入、または残価の再ローンのいずれかの選択肢を選びます。頭金なしでもローンを組めるメリットがある代わりに金利が高く、銀行ローンが年率1.9パーセントなのに対し、4.9パーセントくらいします」

 しかも、制約が多いという。

「傷ついたりタバコで汚したりすると、残価は目減りします。走行距離の制約もある。動画でせっかく新車を買ったのにドンキホーテにしか行けないと描いているのは、ガソリン代の問題だけでなく、縛りの走行距離を気にして近所にしか出かけられないと小馬鹿にしているのです。動画では後先考えずにメチャクチャに乗り回したユーザーが、販売店から下取りゼロの評価を下され、車を失った挙句、300万円一括請求されるというオチになっています」

 こう聞くと確かにあまりいいローンだとは思えないが、中野氏もそこは否定しない。

「やはり金利が高いので残クレを積極的にはおすすめはしません。ただ、実はいま残クレアルファードに乗っている人は勝ち組なんですよ」

 いったいどういうことなのか。

銀行ローンが組めなかった人に「150万円」のキャッシュが残る

 中野氏によれば、5年前、フルオプションで約500万円で購入できたアルファードは、走行距離や装備、状態にもよるが400万円ほどで売れることがあるという。理由は、コロナ禍以降、半導体不足と円安の影響でアルファードの新車は品薄状態となっており、予約待ちが続いているからだ。

「ウチでも中古のアルファードを取り扱っていますが、1年落ちの車なら新車より高い値段がつくくらいです。先ほど挙げた、5年前に買ったアルファードは、100万円しか価値が下がっていないということになります。残クレは金利が高いので5年間で50万円分くらいになりますが、金利分を換算しても、目減り分はたったの150万円。実際、5年前、残クレでローンを組んだ場合、残価設定は200~250万円くらいでした。先にも説明した通り、残クレは設定期間になったら一括返済することもできるので、残価が200万円で350万円で車が売れたなら150万円も手元に残るのです」

 同じ5年前、中古の日産セレナを200万円で買った人が今売ろうとすると、

「50万円程度になることもある。残クレアルファードと比べて目減りした額は150万円と同じくらいなのに、一方は誰もが憧れる高級車に乗れたということ。動画がバズった理由にはこうしたやっかみもあると思うのです。みんなアルファードに乗りたくても、新車は手に入らないし、中古車もプレ値がついていて手が出せない。そうしたストレスが溜まっているから、貧乏人がアルファード乗って、しかも得しやがってと」

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