今年の高校生ドラフト候補は「大不作」も…“隠れ有望株”五人衆がドラフト戦線に浮上していた!

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上位指名に浮上するかも

 2人目の桜井は、2024年に本格導入された“飛ばないバット”で、高校通算40本以上のホームランを放ったスラッガーだ。夏の埼玉大会では決勝で敗れたものの、打った瞬間に分かる一発をレフトスタンドに叩き込んだ。

 桜井を担当するセ・リーグ球団のスカウトは「バッティングに粗さは残りますが、高校生で飛ばす力は一番あるのではないでしょうか」と天性の長打力を高く評価している。

 3人目の垣内は、総合力の高い外野手だ。春の関東大会では、最速152キロ右腕の横浜・織田翔希(2年)からホームランを放った。夏の埼玉大会では3回戦で姿を消したが、初戦の本庄第一戦でライトスタンドに突き刺さる一撃を見せている。

 垣内を担当しているセ・リーグ球団スカウトは「守備と走塁はもともと素晴らしかったが、体が成長して、打撃力が向上しました。(2021年まで巨人で活躍した)亀井善行のような選手になれると思います」と高く評価している。

 今回の記事で紹介した“隠れ有望株”が今秋のドラフト会議の展開次第では、上位指名に浮上するかもしれない。そんな可能性を感じたスカウト陣の“本音”だった。

西尾典文(にしお・のりふみ)
野球ライター。愛知県出身。1979年生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行う。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

デイリー新潮編集部

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