あるようでなかった…“球団別”の通算本塁打数ランキングを独自集計 トップに輝いた男は!? 消滅した近鉄を含む「13球団」を分析

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 ヤクルト・山田哲人が7月30日のDeNA戦で球団新記録となる通算305号を達成し、8月19日までにNPB歴代42位タイの306号と記録を伸ばした。NPB歴代ランキングには、868本でトップの王貞治(巨人)をはじめ、球史に残るホームランバッター並んでいるが、球団別となると、複数のチームでプレーした選手の移籍前、移籍後に記録した本塁打数が差し引かれるので、生涯記録とは異なる結果になる。そこで、筆者が球団別の通算本塁打数を独自で集計してみた。各球団でトップに輝いた男は誰だ? 【久保田龍雄/ライター】

特筆に値する金本

 まずは、巨人から見てみよう。

 伝統的に生え抜きスターがトレードで移籍する例が少ないことから、1位・王(868)、2位・長嶋茂雄(444)、3位・阿部慎之助(406)、4位・原辰徳(382)、5位・松井秀喜(332)と、順番に変動がないのが特徴だ。

 5人の中で唯一移籍を経験し、日米通算507本塁打を記録した松井が、メジャーに移籍しなかったら、王にどこまで迫れたかというシミュレーションも興味深い。

 次は阪神。在籍した選手の生涯記録だけを見ると、歴代11位の金本知憲(476)、同12位の田淵幸一(474)が1、2位だが、金本は広島からFA移籍、田渕も西武に移籍しているので、球団在籍時の記録では、掛布雅之(349)がトップになる。

 以下、2位・田淵(320)、3位・真弓明信(277)、4位・岡田彰布(245)、5位・金本(244)と続く。2位から5位までの4人が、他球団でも本塁打を記録しているのは、阪神が活発に主力のトレードを行っている事実を示している。

 前出の山田がトップのヤクルトも、歴代9位の大杉勝男(486)、同24位のラミレス(380)、同42位の広沢克己(306)が移籍組とあって、順位が入れ替わった。

 山田のあとは、2位・池山隆寛(304)、3位・バレンティン(288)、4位・広沢(228)、5位・村上宗隆(昨季まで224)と続く。6位以下でも、ヤクルトひと筋で長く現役を続けた杉浦享(224)、若松勉(220)、古田敦也(217)も通算200本超えを実現している。

 広島も主力打者が相次いでFAで流出しているが、生涯カープひと筋の山本浩二(536)、衣笠祥雄(524)の1、2位は不動。3位にはこれまた生え抜きを貫いた前田智徳(295)が入り、4位・江藤智(248)、5位・金本(244)のFA流出組が続く。金本は広島、阪神の在籍2球団でいずれも5位にランクしているという点で、特筆に値する。

 中日もトレード組が多く、1位・宇野勝(334)、2位・大島康徳(321)、3位・木俣達彦(285)、4位・谷沢健一(273)、5位・江藤慎一(268)と上位5人中3人までがトレードで他球団に流出している。

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