「佐々木朗希」2度目のリハビリ登板は被安打3、与四球3、失点2…“160キロ剛速球が消えた”だけじゃないルーキー時代からの“致命的な弱点”とは

スポーツ 野球

  • ブックマーク

改善の優先順位

「ケガの経験がない時の佐々木投手は、常に全力で投球することが可能でした。その頃から制球力に課題を抱えており、実は『行き先は球に聞いてくれ』という投球内容だったのです。ただ球威があったので打者を抑え込むことができました。今、佐々木投手はケガで全力を出せない状態です。そのため隠れていた制球難が一気に顔を出しました。日本では160キロの投手として話題を集めましたが、MLBではそれほど珍しくありません。アメリカでは160キロの速球を投げる高校生もいます。佐々木投手にとって最も優先順位の高い課題はコントロールの改善でしょう。優れた制球力を身につければ、150キロ台の球速でも打者を手玉に取ることができます」(同・前田氏)

 徹底的に投球メカニズムを分析して見直し、まずは制球力を獲得する。それから160キロ台の復活に着手する──前田氏の考える「佐々木朗希の復活プラン」は長期的な視野に立っている。ポストシーズン直前に復帰できるような状態ではないという。

 さらに前田氏が懸念するのが、ドジャースが佐々木を1軍に帯同させ、いわゆる“リハビリ登板”の時だけ3Aの試合に出場させるというやり方だ。

3Aに落とすべき

「調子が悪かった時、1軍に帯同して調整したこともありますし、2軍に落とされたこともあります。僕の経験では、1軍に帯同すると意外に練習には専念できないものです。2軍では何よりも『ここで絶対に1軍へ上がらないと、ずっと2軍で終わってしまう』という危機感から必死に練習します。今回の投球内容でも明らかになりましたが、佐々木投手は“3Aでは無双”という状態ではありません。無双になってから1軍に上げるのが順序でしょう。しかも現在のドジャースは6人の先発が機能しています。先発陣に穴は空いていないのです。やはりドジャースは佐々木投手を“特別扱い”している可能性があり、それは何よりも彼のためになりません。3Aで練習に専念させることが必要だと思います」(同・前田氏)

 Xでは消防士を引退したという筋金入りのドジャースファンがコメッツの試合を観戦し、佐々木の投球について興味深い報告を行った。

 試合中、元消防士は「佐々木は調子が良さそうには見えない」、「スプリットのコントロールに苦労している」と“実況中継”。そして佐々木が降板すると「彼がすぐにドジャースに復帰することはないだろう」と感想を投稿した。

デイリー新潮編集部

前へ 1 2 次へ

[2/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。