千鳥・大悟も困惑!? 高学歴芸人の意外な苦悩とは 「頭でっかち」と距離を置かれることも
強みと弱み
一昔前までは、芸人を目指す人の中に大卒は少なかった。お笑いというのは、大学を出たような人が志す仕事ではないと考えられていた。
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【写真を見る】まさに多士済々…「東京6大学」出身の高学歴芸人
だが、最近ではそのようなイメージも変わりつつあり、大卒の芸人も増えてきている。それどころか、東大、京大、早慶など、一般的に見ても高学歴と呼ばれるような立派な大学を出ている芸人も続々と出てきている。高学歴芸人には高学歴ならではの強みと弱みがある。
強みとしてまず挙げられるのは、知識量と論理的思考力があると考えられていることだ。その肩書を生かしてクイズ番組で活躍したり、時事問題について的確なコメントをしたりすることができる。しかも、知識が求められる場面でも真面目一辺倒にならず、要所要所で笑いを取ることもできるのは大きな強みである。
また、学歴というわかりやすいラベル自体が、芸能界では強力な「キャラクター」として機能する。「東大芸人」「京大芸人」と名乗るだけで、スタッフとしては企画を考えやすく、視聴者や観客も興味を持ちやすい。
たとえば、ロザンの宇治原史規は京大卒の学歴を生かして「クイズ芸人」という立ち位置を築き、長年にわたり安定した活躍を続けている。本人の持つ頭脳を全面に押し出すことで、ほかの芸人にはない役割を確保できた典型例である。
高学歴芸人はネタ作りの面でも論理的思考力を生かすことができるという面もある。理屈だけで面白いものができるとは限らないが、クリエイティブな営みの中に「理詰め」の部分があることは事実であり、そこでは高学歴芸人の知性が生かされると言える。
しかし、その一方で高学歴芸人ならではの弱点もある。第一に、頭の良さや論理性が前面に出すぎると、観客が笑いに乗り切れないことがある。笑いは理屈よりも感覚や勢いで成立する部分もあるため、「なるほど」と感心はされても「爆笑」には至らないケースがある。たとえばクイズ番組で活躍しているような芸人が、本格的なお笑い系の企画では存在感を発揮できないことは珍しくない。
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