投手「大谷翔平」2三振の「ヌートバー」が“侍ジャパン”の主軸に? トレード情報が飛び交う中で見せた「日本愛」

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移籍の可能性は消えず

 シーズン途中での放出はなくなったが、カージナルスのコストカットの方針は変わっていない。米スポーツ専門局「The Athletic」など複数の米メディアは、トレード期限が過ぎた今も「今オフ、トレードで放出される可能性が高い」と報じており、

「カージナルスが渋チンなのは彼自身も察しています。年俸調停をすればフロント幹部からの心証が悪くなることも分かっていたはず」(前出・同)

 と、トレード移籍を望んでいるのではないかと予想する声も聞かれた。

 もっとも、フラッグディール・トレードが盛んに行われていた頃、ヌートバーの残留を強く訴えていた米メディアもあった。米スポーツ総合メディア「CLUTCH POINTS」は放出してはならない選手の特集を組み、

「彼はセントルイス(カージナルス)のなかでもバランスの取れた選手である。打者としての能力が高く、将来性も豊かだ。これから全盛期を迎えようとしている魅力的な存在で、次のチームの看板選手になれる」

 と、評価していた。この「CLUTCH POINTS」による特集記事が出た後、「昨オフ、看板選手だったゴールドシュミットを手放したのは、球団がヌートバーの成長を確信したからではないか」と、残留を予想する声も聞かれるようになった。当然、去就に関しては侍ジャパン側も気に掛けている。

「カージナルスには、次のWBCにもヌートバーを日本代表に派遣して欲しいと伝えてあります。もし、今オフにトレードになったら、移籍先の球団オーナーが国際大会に非協力的であれば、代表チームの得点力ダウンは避けられません」(前出・関係者)

「WBC出場に彼自身も前向き」との連絡はカージナルスを介して届いているそうだが、予断を許さない状況だ。

帽子のツバに…

 その出場意欲、日本愛とも受け取れる行為が6日のドジャース戦で見られた。2回表、先頭バッターとして打席に立ったヌートバーは、バットを構える動作の途中、右手でヘルメットのツバを触った。マウンドの足元を均していたため、大谷はそれに気付かなかった。2人の眼が合うと、再びヌートバーがヘルメットのツバに手をやった。大谷は口元を緩め、軽く会釈し、グローブを前に出した。ヘルメットのツバに手をやるのは、日本の学生野球大会ではお馴染みの光景だ。打席に入る際、主審や相手投手に「お願いします」の挨拶と敬意を示す動作である。

 この一戦を中継していた米地域スポーツネットワーク「FanDuel Sports Network」の実況アナウンサーは、「ヌー(ヌートバー)とショウヘイは『Close Friends』ですね」と伝えたが、日本流の挨拶までは分からなかったようだ。

「かつて大学日本代表の選手たちが大会中、ヌートバーの自宅にホームステイをした話は有名です。日本の選手たちが打撃投手役の選手や、ティー打撃のトスを上げてくれた同僚に対し、帽子のツバに手をやっていました。当時、小学生だったヌートバーは日本人の母親にその意味を教えられたそうです」(前出・関係者)

 次回WBCでは大谷とヌートバーが中心選手となる。ちなみにドジャースはレギュラーを予定して獲得した外野手のマイケル・コンフォルト(32)が不振なので、WBC後もこの2人が同じユニフォームを着ている可能性も捨てきれない。

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