投手「大谷翔平」2三振の「ヌートバー」が“侍ジャパン”の主軸に? トレード情報が飛び交う中で見せた「日本愛」
侍の4番はヌートバー?
現地時間8月6日のドジャース対カージナルスの一戦で、先発投手兼DHで出場した大谷翔平(31)が、ラーズ・ヌートバー(27)を2三振に切ってみせた。“侍ジャパン対決”が実現したわけだが、試合後、ヌートバーは、
「バッターとしてはフラストレーションが溜まりますが、やっぱり、彼の能力は本当にすごいなと思いました」
と、素直に負けを認めていた。この日のヌートバーは「4番・左翼」で出場している。今季はクリーンアップの一角としても定着し、23年WBC大会から確実な成長を遂げている。侍ジャパンの関係者からこんな評価も聞かれた。
【写真】日本愛に溢れた人気者…次回WBCの中心メンバーになるヌートバーの活躍ぶり
「来年3月の第6回WBCは『1番・大谷、3番・鈴木誠也(30)』で臨む予定ですが、4番にヌートバーを推す声もあります。前大会のヌートバーはリードオフマン的な役割でしたが、今回は打線の中軸としての活躍を期待しています」
ヌートバーはこの3連戦初戦の試合前、大谷に挨拶して再会を喜んでいた。また、5日の第2戦では9回に出たムーキー・ベッツ(32)の右翼線への飛球をダイビングキャッチし、スタンドを沸かせた。明るい性格と躍動感のあるプレーで人気を博しているが、その裏では“移籍の可能性”も報じられていた。米東部時間7月31日午後6時がデッドラインとされていたシーズン途中のトレードで、ヌートバーの放出も囁かれていたのである。
このシーズン途中のトレードは地区優勝争いから脱落したチームが来季以降に備えるため、主力選手を放出して上位チームから若手選手をもらうもの(フラッグディール・トレード)。カージナルスは現在、ナ・リーグ中地区の4位だが、このトレードが佳境を迎える7月下旬は2位だった。「買い手」になりきれない微妙な立ち位置にいたが、世代交代の過渡期にもあって、
「ヌートバーに興味を持つ球団は多い。さらに若い選手との交換トレードも十分に考えられる」
との報道が、メジャーリーガーの移籍情報をメインとした「MLB Trade Rumors」などで伝えられていた。
「昨年オフ、球団は長くチームを支えてきた主力バッターのポール・ゴールドシュミット(37=現ヤンキース)との契約更新を見送っています。ゴールドシュミットは人気選手でした。22年オフ、5年契約で獲得した捕手のウィルソン・コントレアス(33)を一塁手兼DHにコンバートする大掛かりなチーム改造も行いました。チーム総年俸を落とそうともしているので、ヌートバーを本当に放出してしまうのではないかと心配されていました」(現地記者)
昨年オフ、ヌートバーは初めて得た年俸調停の権利を行使し、球団に“勝訴”した。カージナルスは245万ドル(約3億8700万円)を提示し、ヌートバーは295万ドル(約4億6600万円)を希望。メジャーリーグ機構が派遣した公聴人はヌートバーの言い分を認め、ヌートバーはそれまでのメジャー最低クラスの年俸74万ドル(約1億4000万円/当時)から、約4倍の大幅増となった。
「昨季は肋骨の骨折で開幕に間に合わず、6月にも左脇腹のケガでチームを離脱してしまいました。109試合の出場で打率2割4分台と不振だったので、球団は面白くなかったはず」(前出・同)
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