DeNA「藤浪晋太郎」に“1軍戦で先発”報道…大荒れ「7四死球」から復活できるか 元技巧派投手が指摘する“全盛期との決定的な違い”
スポニチアネックスは8月12日、「DeNA新加入の藤浪 8・17中日戦で新天地デビュー濃厚に」との記事を配信した。藤浪晋太郎投手は今シーズンの開幕をアメリカのマイナーリーグで迎えた。21試合に登板して防御率は5・79。6月に自由契約が決まり、翌7月にDeNAが獲得を発表した。日本に帰国してからはイースタン・リーグで3試合に登板し、8月10日に1軍合流を果たしている。
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三浦大輔監督は取材陣に8月11日からのヤクルト3連戦で藤浪が先発する可能性を示唆していた。ところが10日の巨人戦が雨で順延となって先発ローテーションが変更となり、スポニチが17日の中日戦に先発と報じたわけだ。
ただし注意が必要なのは、藤浪はイースタンで完璧なピッチングを披露したわけではないということだ。たしかに7月26日のロッテ戦は5球で三者凡退、31日の西武戦では3イニングをノーヒットに抑えた。しかしながら8月6日の巨人戦は3回3分の1を投げて7四死球、自責点3と大荒れの内容だった。
ご存知の通り、藤浪と言えばコントロールに難があることで有名だ。暴投、四球、死球、危険球が話題になることが非常に多い。XなどのSNSでは巨人戦のピッチング内容に「またか……」の声が溢れたが、野球解説者の前田幸長氏も「本来であれば、1軍に上げられるような状態ではないと思います」と言う。
「とはいえ、DeNAの先発陣は故障者が出たこともあって苦しい状況です。さらに藤浪投手は実績を持っていますから、首脳陣は『試しに1試合は投げさせてみよう』と判断したのではないでしょうか。とはいえ、藤浪投手のコントロールが悪くなったのはメンタルが原因ではなく、フォームが崩れたからだと私は考えています。現在に至るまで藤浪投手のフォームは改善されていませんから、たとえ17日の中日戦で好投したとしても、完全復活と評価するのは早計です。普通の先発投手でも評価を得るには3試合を好投する必要があります。藤浪投手の場合なら5試合は必要でしょう」
問題は「体の可動域」
藤浪のフォームはどこが悪いのか。われわれ素人でも理解できるよう前田氏に1点だけ指摘してもらった。
「全盛期の藤浪投手はボールを投げる時、右腕と左腕が左右に広がることはありませんでした。つまり体の可動域は狭く保たれ、その狭い範囲の中で投球動作を行っていたのです。ところが現在の藤浪投手は左手のグラブが右打者の方を向き、ボールを持つ右手は左側に向いています。好調だった時とは違って体の可動域が左右に開いているのが制球難の原因です。そもそもストライクゾーンは狭いものです。そして上手投げの投手がコントロール良く投げるためには体も両腕も基本的には捕手のほうを向き、狭い可動域の中で頭上のボールを捕手に向かって下に降ろすイメージが必要です。上下の動きは重要ですが、左右に広がった動きはコントロールを乱す原因となります」
球界を代表する捕手として活躍した古田敦也氏も藤浪がボールを投げる際、「体が捕手に向いていない」ことを懸念している。自身の公式YouTubeチャンネルで「藤浪投手と対戦する打者は右打ちの場合、自分に向かって投げるように見えるはず」と疑問視したのだ。(註)
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