DeNA「藤浪晋太郎」に“1軍戦で先発”報道…大荒れ「7四死球」から復活できるか 元技巧派投手が指摘する“全盛期との決定的な違い”
甲子園の“圧”に耐えられるのか?
「藤浪投手がMLBのオリオールズに在籍していた時、投手コーチから体の可動域を狭くするよう指導され、実際に制球力が向上したという話を聞きました。ところがDeNAに入団すると、ピッチングフォームは元に戻って体の可動域は左右に広がっています。藤浪投手は早急にフォームを改善しなければ、必ず制球難に悩まされます。まして先発投手として完全復活を果たすためには、超えなければならない様々なハードルがあります。例えば甲子園での先発です。私はロッテ、中日、巨人に在籍し、様々な球場で投げました。とはいえ甲子園のように360度の大半を阪神ファンが埋め尽くし、強い“圧”をかけてくる球場は他に知りません。他球場で敵チームの応援は耳に聞こえるだけですが、甲子園は腹に響きます。ヒッティングマーチの音量も信じられないレベルで、実際に体が揺さぶられるのが分かります」(同・前田氏)
甲子園での“アウェイ”の洗礼を先発投手が毅然として跳ね返すためには、何よりも制球力が重要であることは言うまでもない。
懸念される右打者のケガ
「コントロールが良ければ、甲子園というプレッシャーが桁違いの球場でピンチに立たされても1失点とか2失点でなんとか切り抜けることができます。ところがピンチの時に制球が定まらず四死球を与えたり、暴投してしまったりすると、たちまち4失点や5失点と傷口を広げてしまいます。藤浪投手のフォームを改善するためには、DeNAのコーチ陣は厳密な投球理論に基づいて助言することが求められています。そして藤浪投手はプロ選手として、コーチ陣の助言にしっかりと耳を傾ける必要があるのではないでしょうか」(同・前田氏)
イースタンで藤浪と対戦したロッテと西武は打者が死球でケガすることを懸念し、左打者を中心とした打順に変えて話題を集めた。
だが育成がメインのイースタンでは可能な対処法でも、3位のDeNAを必死で追う4位の中日がスタメンを変えるわけにもいかない。XなどのSNSでは藤浪の死球や危険球を懸念する投稿が非常に目立つ。果たして彼はどんなピッチングを披露するだろうか。
註:広澤克実&金本知憲が語る 球界の鬼軍曹伝説【ザ・伝説の野球人大全集】(フルタの方程式【古田敦也 公式チャンネル】2021年12月28日配信)
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