「学歴、キャリアも“お似合い”」 二階堂ふみとカズレーザーの「推し婚」が祝福される理由とは

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令和で祝福される「推しとの結婚」は「長年のファン歴」と「物語の共有」が大事?

 平成と令和の「推し婚」の違いは、情報の流れ方とファンとの距離感に集約される。平成ではテレビや雑誌が恋愛の物語をつくり、世間はそれを一方向から受け取っていた。一方、令和ではSNSや番組を通じた「推し」への告白から交際、結婚までの過程がほぼリアルタイムで共有される。だからこそ、その過程をどう見せるかが重要になる。

 カズレーザーさんと二階堂ふみさんの結婚は、まさに成功例といってもいいのではないだろうか。カズレーザーさんが二階堂さんの「推し」であることは、2016年の「火曜サプライズ」(日本テレビ系)で初めて明かされた。“カズ様”の「顔が好き」だとうれしそうに語る二階堂さんの姿は、「ヒミズ」「地獄でなぜ悪い」「私の男」など、近寄りがたい役柄を演じることが多かった彼女の、意外にお茶目な一面として映ったことだろう。

 そして翌年の「DASHでイッテQ!行列のできるしゃべくり日テレ系人気番組No.1決定戦 2017春」(日本テレビ系)でついに初共演。「ドキドキしていました」と喜びをあらわにした二階堂さんだったが、当時は他の男性有名人との交際のうわさもあり、リップサービスの域にとどまるとみていた視聴者も多かったに違いない。

 しかし二階堂さんの「推し」熱は変わらなかった。2年後の「VS嵐」(フジテレビ系)で再び共演した時も、カズレーザーさんとのほほ笑ましいやりとりが話題に。果たして当時から交際していたかどうかは不明だが、初共演から8年がかりの「推しへの愛を実らせた」という一途さは、祝福ムードを盛り上げたのではないだろうか。

 こうした「長年のファン歴」と「推しとの物語の共有」は、令和で祝福される「推し婚」の共通点である。例えば東海オンエア・てつやさんと元AKB48の峯岸みなみさんの結婚もそうだ。てつやさんが10代の頃から峯岸さんを推していたことはファンの間でも周知の事実で、SNSは「夢をかなえた男」として彼をたたえ、「推しと結婚」がトレンド入りした。ここでも、ファンであることを隠さずオープンに語ってきたプロセスが、祝福ムードの土台になった。

 また、犬飼貴丈さんと指原莉乃さんの交際報道時も好意的な反応が多かった。犬飼さんは握手会の常連で、筋金入りの「さしこファン」。10年以上の月日を経て初共演したバラエティー番組での照れっぷりも、「ガチファン」という信ぴょう性を高めていた。てつやさん同様に、推しへの熱量を隠さずに語ってきた過程が可視化されており、ファンも一緒に物語を見守ってきた感覚を持てたことが、応援する空気につながったのだろう。

 一方、高橋一生さんのファンであると共演番組で明かした若手女優のケースはやや違った。「公開告白」から1年後、写真誌で交際がスクープされた時は冷ややかな反応が多かったように記憶している。交際発覚が共演翌年の週刊誌報道という突然の形だったため、視聴者と共有する「物語」が不足していたことで祝福ムードを育て切れず、「番組の私物化」「にわかファンでは」といううがった見方につながってしまったのではないだろうか。

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