「事務所に違約金5000万」 元アイドル「上村謙信」に香港で有罪判決…「女性を軽視した行動」と断じた“わいせつ公判”の内幕
わいせつ容疑で逮捕、しかも場所は仕事で訪問していた香港――。香港の西九龍裁判法院(裁判所)で8月13日、ダンス&ボーイズグループ「ONE N’ ONLY」の元メンバー上村謙信(26)に罰金1万5,000香港ドル(約28万円)の有罪判決が言い渡された。7月30日と31日に開かれた公判では、検察側と弁護側の主張が真っ向から対立していた。
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異性として関心を持っていたことを示すと判断
事件が起きたのは3月2日夜、繁華街の飲食店で行われた打ち上げパーティーの席上。わいせつ被害を訴えていたのは上村被告の通訳だった女性、Aさんである。
7月30日の公判でAさんは、上村被告の求めに応じて隣の席に着いた際に「太ももとその内側に触れられた」「LINEのQRコードで『友だち追加』を求められ、それを無視すると翻訳アプリを使って『一緒にトイレに行かないか』と誘われた」と証言していた。
Aさんは口実を作って席を離れたが、追って来た上村被告に離してもらえず、外で会えるかと尋ねられた。だが、Aさんに恋人がいることを知った上村被告は謝罪。Aさんを解放したが、席に戻ると再度謝罪しながらも恋人についての質問を続け、太ももに触れたという。
8月13日に開かれた判決公判で裁判官は、以上の行為は上村被告がAさんに対して異性として関心を持っていたことを示すと判断した。ポイントの1つは「翻訳アプリでトイレに誘われた」件である。
性的な意味合いを帯びた愛撫に近いもの
7月31日の公判で検察側は、通訳に対し翻訳アプリは不要であり、トイレに誘ったこと自体が不適切と主張していた。対して弁護側は、ファン対策やトイレを口実にしての退席などもあり得るため、わいせつな意味合いだけが合理的な推論ではないと主張。上村被告が翻訳アプリを使った理由としては、Aさんが先の証言で、日本語を完全に理解していなかったことを認めた事実などを指摘していた。
8月13日の判決公判で裁判官は、通訳に対して翻訳アプリを使用する必要はないと検察側の主張を支持。また、当日の会場内にトイレがあることを知っていたはずの上村被告が、文章で繰り返し「外のトイレ」に誘う「合理的な理由が見当たらない」とした。
さらに裁判官は、上村被告がAさんの拒否を受け入れずLINEの「友だち追加」を繰り返し求めたうえ、Aさんのプライベートに関心を示したことを指摘。上村被告がAさんに好意を抱いていたことは状況的に明らかとした。
そのため、2つめのポイントである「太ももに触れた」件についても、裁判官は弁護側が主張していた「座席の狭さによる偶発的な行為の可能性」を認めず、前述の状況的に性的な意味合いを帯びた愛撫に近く、わいせつな意図があったと判断。「Aさんの同意があったと完全に誤解していた」という弁護側の主張も、「Aさんが同意していたと信じる根拠は見当たらない」と一蹴し、上村被告のわいせつ行為を認定した。
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