田久保伊東市長の“卒業証書死守”を支えている弁護士は「まっとうな助言者なのか」元テレビ朝日法務部長は「時間稼ぎ狙いか」「私ならば勧めない戦略」

国内 政治

  • ブックマーク

「卒業証書」が日の目を見ることはあるのか?

 このような「先延ばし戦略」は今、流行りなのだという。

「パワハラ疑惑が生じた斎藤元彦兵庫県知事は、様々な指摘を受けても粘って出直し選となって再選。第三者委や百条委が問題を厳しく指摘する報告書を出したのはその後でした。性的不祥事の疑惑が浮上した永野耕平前岸和田市長も、議会を解散し妻が市議選に出馬するなどの展開の中で粘りました。永野氏の場合は、結局、出直し選挙に敗退しましたが」(同)

 田久保氏も、永野氏と同様、今のところ好材料は見当たらない。しかし時間稼ぎをしている間にも、税金から市長の給料は支払われていく。

 その行く道は険しく見える田久保氏だが、やはりここまで来ると、市民のみならず国民がどうしても見たいのが「卒業証書」だ。公開される日は来るのだろうか。

「このまま百条委の求めに応じなかったとしても、仮に刑事事件化された場合には、警察によって『卒業証書』が押収され、裁判に証拠として出されるでしょう。その際は、検察側から法廷で証拠内容の説明はあると思いますが、実物を見られるのは裁判関係者だけ。刑事事件の証拠が公開されるのは裁判が終わった後が原則です。その際、理由によってはコピーが許される場合もありますが、そうなるまでには早くても1~2年の時間は要するのではないでしょうか」(同)

 関連記事【「こっちも録音を撮っていますから彼女のウソは立証できます」田久保伊東市長のニセ卒業証書「19.2秒反論」に副議長が再反論】では、ネットで話題沸騰中の「19.2秒」について“チラ見せ”されたと訴える当人の話を交えて検証している。

西脇亨輔(にしわき・きょうすけ)
1970年10月5日、千葉・八千代市生まれ。東京大法学部在学中の92年に司法試験合格。司法修習を終えた後、95年4月にアナウンサーとしてテレビ朝日に入社。『ニュースステーション』『やじうま』『ワイドスクランブル』などの番組を担当した後、2007年に法務部へ異動。弁護士登録をし、社内問題解決などを担当。社外の刑事事件も担当し、詐欺罪、強制わいせつ罪、覚せい剤取締法違反の事件で弁護した被告を無罪に導いている。23年3月、国際政治学者の三浦瑠麗氏を提訴した名誉毀損裁判で勝訴確定。6月、『孤闘 三浦瑠麗裁判1345日』(幻冬舎刊)を上梓。7月、法務部長に昇進するも「木原事件」の取材を進めることも踏まえ、11月にテレビ朝日を自主退職。同月、西脇亨輔法律事務所を設立。

デイリー新潮編集部

前へ 1 2 次へ

[2/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。