フライング「高市早苗」の女性初の首相就任を阻む多くの高い壁

国内 政治

  • ブックマーク

リーフレットの効果

 そういった反応は特に高齢者世帯に目立ったようだ。

「自民党員に限りませんが高齢のため普段から“お便り”が届かないようなところも多いため、そういったメッセージはすごく“刺さった”そうです。地元選出の自民議員らがちゃんと目をかけてくれているから高市氏からのメッセージが届いたというとらえられ方もされたそうです。ただしこの配布自体がルール違反じゃないか、といった批判の声も当時、党内からあがっていました」(同)

 総裁選の規則に逸脱しない限りメッセージを送ること自体は誰でもできることかもしれないが、高市氏は愚直に実行した。それが1回目の投票でトップを獲得できた要因の1つであることは間違いないのかもしれない。

「来たる総裁選でも高市氏は“地方は強い”と言われています。今回も前回同様にリーフレット配布を想定しているかはわかりませんが、高市氏のほとんど唯一の強みだとされていますね」(同)

 ただ、前回とは違って今回は総裁選をフルスペックでは行わない可能性が高く、「地方での強さ」という持ち味を十分に発揮できないとも言われている。

高市氏の出馬は確定的

「総裁選に誰が出てくるのか、何人くらい出てくるのかは不透明ですが、高市氏は出馬をするそうです。が、彼女を取り巻く環境は去年より悪くなっていると見てよいでしょう。夫婦で病を抱えており、不安がある点は同情すべきですし、弱点として攻撃されるものではないでしょう。しかしでは、首相として十分な活動ができるのかと言うと疑問符がつきまとうでしょう」(同)

 高市氏なら自民から逃げた「岩盤保守層」を取り戻せるとの見方もあるが……。

「そもそも岩盤保守というのが幻想ではないかという指摘もあります。この言葉がクローズアップされたのは第2次安倍政権以降に過ぎません。かりにそういう層がきちんと存在しているとして、その層をごっそり持って行ったと見られる参政党と高市氏ならうまくコミュニケートできるのか。楽観論もありますが、なかなかそう簡単ではないのではとの見方も根強くあります」(同)

 高市氏は昨年の総裁選直後から誰よりも早く「石破おろし」のための布石を静かに打ってきたとされる。提示されたポストを拒否したのもその一環だというのが定説である。

 しかし、そうした振る舞いそのものが自民党のまとまりのなさを示し続けていたとの指摘もある。また、今回の場合、自民党総裁イコール首相とは限らない。

 数々のハードルを越えて、女性初の総理大臣になることはできるだろうか。

デイリー新潮編集部

前へ 1 2 次へ

[2/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。