ネコの致死率はおよそ6割…現役獣医が見た“マダニ”媒介感染症「SFTS」の脅威と感染拡大の“最前線”
マダニが媒介する感染症「SFTS(重症熱性血小板減少症候群)」が全国的に広まりつつある。目下、SFTSの感染経路として注目を集めるのはペットで、感染したイヌやネコと接触する獣医からは死者も出ている。SFTSに感染したネコを実際に診察した獣医は、感染拡大の“最前線”をどう見ているのか。
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国立健康危機管理研究機構によると今年に入ってから6月末までの間に全国から報告されたSFTSの患者数は91人。決して多くない数だが、その恐ろしさは27%に上ると言われる致死率の高さだ。実際に、6月末までの感染者数はわずかながら確認された死者は少なくとも9人に及ぶという。
そもそもSFTSとはどのような感染症なのか。厚労省の担当者に聞くと、
「主にSFTSウイルスを保有するマダニに咬まれることで感染し、ヒトから動物へ、動物からヒトへと感染する人獣共通感染症です。感染した際には6日から2週間程度の潜伏期間を経て、発熱、嘔吐、下痢などの症状が現れます。血液検査を行うと血小板や白血球の値が著しく落ちていることも特徴です。特に免疫力の低下している高齢者のリスクが高く、発症者はおよそ9割が60代以上の高齢者です。重症化すると下血や意識障害を伴い最悪の場合、死に至ります」
マダニに直接刺される以外にも、感染したペットの体液に直接触れたり咬まれたりして飼い主が感染することもある。
三重県では、今年5月にSFTSに感染したネコの治療にあたっていた高齢の男性獣医が、息苦しさなどの症状を訴えて病院に緊急搬送され、その数日後に死亡した事例があった。
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