石破首相の“究極の選択”を恐れて 「石破おろし」に走る人々の行動原理

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恐れているシナリオは

 仮に石破氏が8日の総会で辞任やそれに類する発言をしない場合、どうなっていくのか。

「自民の党則には、総裁の任期満了を待たずに総裁選を行うことができる“リコール規定”があります。国会議員と都道府県連の代表者の過半数の要求が集まれば、総裁選を行うことになります。石破氏も立候補することは可能ですが、さすがにどうでしょうか。党内のゴタゴタでトップを引きずりおろそうとする動きは醜く映りますし、一方で地位にすがりついているように見える首相も同様に醜く映り……と世間に受け止められるのではないかと。そうならないためにも石破おろし側は“賢明な判断”をお願いしたいところなのでしょうが」(同)

 石破おろし側のこだわり、恐れているシナリオはどういったものなのか。

「石破氏が首相を続けるなら秋の臨時国会は修羅場になりそうです。野党は一部を除き協力を拒否していて、立憲民主は内閣不信任案を提出する可能性があります。それが通った場合には総辞職か解散を選択するわけですが石破氏が解散を選択することを恐れているようですね」(同)

解散を選択した場合

 普通ならば解散ではなく総辞職を選ぶだろう――そんな見立てが通用しないことは、現状を見れば明らかだ。参院選後、退陣すると見られ、新聞が号外まで出したにも関わらず、いまだその気配は見られないのだから。

「石破氏の党内人気はこの参院選で極めて低く、選挙戦最終日でまわった宮城・仙台や東京・蒲田は関係の深い小野寺五典政調会長や平将明デジタル相の地元です。多くのエリアから“お呼びがかからない”との指摘もあるほどでした。そんな石破氏が解散を選択し、衆院選を戦うことだけは忌避したいとの切実な思いが石破おろしを加速させている印象もあります」(同)

 先に触れたように石破氏は森山氏が辞意を表明するなら自身も辞めるつもりだとの意思はあるようだが……。

「そうですね。ただ、それがいつなのかを明示しない以上、臨時国会までに石破氏に首相の座を退いてもらわざるを得ず、リコールの動きが進むことになりそうです。石破氏は辞任表明後の自身がレームダック化することを恐れているとの評もありますが、すでにその状態に陥っているとの指摘もあります。午前は機嫌がよくても午後にはガラッと変わっていることもあるようで、なかなか健康状態もままならない状況とのことです」(同)

 この展開を政治家や国民とは別の視点で固唾を飲んで見ているのが、読売新聞と毎日新聞だろう。「8月中に退陣」との報道が「スクープ」として成立するか、誤報となるかに関係するからだ。2紙と石破官邸とのトラブルについては、関連記事(石破首相は「体力的にもう限界」だが取材には「行きつくところまで行くしかない」 退陣を報じた2社が“出禁”になる異常事態も)に詳しい。

デイリー新潮編集部

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