「広報力はすごいがアトラクションは…」 「ジャングリア沖縄」悪評の原因を「遊園地学会」会長が指摘する

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キャパの少なさが問題

 ジャングリアの入場料(1Dayチケット)は大人6930円、子供4950円(いずれも税込)。アトラクションによっては整理券も配布されるが、プレミアムパス(2000~3000円)を追加購入することで並ばずに体験できる。

「いわゆるラインスキップするようなチケットは重要な収益源になるのですが、ジャングリアの場合はアトラクションのキャパが小さすぎる。特に体験型のアトラクションはキャパが小さいので、そこでプレミアムパスを先に販売してしまうと朝イチで入園しても整理券が手に入らないということも起きているんです」(塩地氏)

 整理券やプレミアムパスを必要としないアトラクションはないのだろうか。

「4つしかありません。何でも乗れるはずの1Dayチケットを購入したのに、それだけで乗れるアトラクションは4つしかありません。しかも、そこに3時間以上も並ぶという状態になっているのです」(塩地氏)

 ちょっと長すぎないか。

「アトラクションの効率が悪いため多くの人を捌くことがけないのです。体験型アトラクションをやるのなら完全予約制にすべきだと思います。他のところでもバンジージャンプやジップラインは予約制が普通ですから。キャパがないのに好きなだけ乗れますよと言って入場料を取っていることが悪評につながっているのだと思います」(塩地氏)

 最大の失策はどこにあるのだろう。

もって2~3年

「大型テーマパークを作ったことそのものが失策だったのではでしょうか。立地的にも年間200万人級のテーマパークが成り立つはずがありません。本当は入場料なしで各アトラクションを単体で切り売りすればよかったのですが、総事業費が700億円もかかっているので、それをやったら赤字になる。そのためどのアトラクションもキャパオーバーで、客にしてみれば騙されたと言いたくなるような形で入場券を売っている、払った金額の割に満足度も高くないという結果になっているわけです」(塩地氏)

 満足度が低ければリピーターにも結びつかない。

「リピーターどころか新規の客にも結びつきません」(塩地氏)

 お先真っ暗のように聞こえるが……。

「8月いっぱいはトントンかプラスで推移すると思いますが、9月以降はどうでしょう。夏休みが終わり、沖縄に行く人も減るでしょう。資金面でも銀行が融資に応じてくれなくなりますし、追加出資に応じてくれるところはほとんどないのではないでしょうか。これだけ大規模な施設で、毎年、赤字が積み重なるようだと、2年から3年で何らかの決断が迫られるかもしれません」(塩地氏)

 改善する方法はないのだろうか。

「アトラクションを増やすという方法はありますが、残る敷地は使い勝手の悪い場所が多いので簡単ではありません。建設中のアトラクションが8月中旬に完成して以降は、しばらく大型アトラクションの追加は難しいと思います」(塩地氏)

デイリー新潮編集部

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