阪神ファンも騒然…創成館の小さな“森下翔太”が、夏の甲子園で13奪三振の大熱投 開幕戦で小松大谷を撃破!
8月5日に開幕した第107回全国高校野球選手権。暑さ対策のため、開会式が16時からの開催となり、大会第1日は17時30分から創成館(長崎)対小松大谷(石川)のみが行われた。開幕戦で圧倒的な輝きを見せたのは、創成館のエース、森下翔太(3年)。13個の三振を奪い、創成館が3対1で勝利を飾った。【西尾典文/野球ライター】
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精神面の強さも
森下は、甲子園を本拠地とする阪神の若き大砲と「同姓同名」で、大会前から話題となっていたが、夏の長崎大会は、全5試合に登板し、35回2/3を投げて防御率0.76、42奪三振と、見事な成績を残している右腕だ。
甲子園のマウンドに上がった森下は、初回にタイムリーを浴びて1点を取られるも、その後は見事なピッチングを披露した。9回を一人で投げ抜き、毎回の13奪三振、四死球0で完投勝利。153球の大熱投だった。
持ち味であるストレートは常時140キロを超え、球場表示で最速146キロをマークした。この快投に、阪神ファンをはじめ、プロ野球ファンも敏感に反応し、X(旧Twitter)でも“森下翔太”がトレンド入りするほどだった。
試合後、森下は、小松大谷戦の投球について、こう振り返ってくれた。
「立ち上がりは、少し投げ急いで失点してしまいましたが、試合の途中からは修正して、しっかり自分のピッチングができたので、そこは良かったと思います。ナイターということもあって、涼しくて投げやすかったです。(毎回の奪三振については)意識はしていませんでしたが、ここで抑えないといけないという場面でしっかり三振をとることができました。(開会式直後の試合についての調整は)体のキレを出すように、試合の2時間前くらいからアップで瞬発系のダッシュなどをして、準備するようにしました。次の神村学園さんは、打線ももっと強いと思うので、しっかり準備してまた自分のピッチングができるようにしたいです」
試合開始前には、思わぬアクシデントもあった。甲子園大会では始球式で使用するボールをヘリコプターから投下されることが恒例となっているのだが、強風の影響で、投下できなかった。一度、ヘリが移動して再び投下することになり、先発マウンドに立つ森下は、約3分間もその場で“待ちぼうけ”を食らうことになったのだ。
初の甲子園のマウンドで緊張もある中で、森下にとっては不運な出来事だったが、本人は「気持ちをしっかり落ち着けようと思って待っていました。影響は特になかったです」と話しており、精神面の強さを感じさせた。
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