「上皇ご夫妻は“思い出の地”でのご静養を強くご希望」 お迎えの準備が進む現地では“特別体勢”が

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ご夫妻が強く希望される、軽井沢でのご静養

 日課である運動のみならず、今回の追加投薬によって、上皇さまのお暮らしには少なからず影響が及んでいる。先の記者によれば、

「上皇ご夫妻については、7月下旬に那須で静養される日程が内々に検討されていました。ところが今回の入院で、予定は白紙に戻ってしまったのです」

 ただし、

「もう一つ、8月下旬に軽井沢で静養なさるための準備が進められており、こちらはまだ実現の可能性があります。何より、当のご夫妻が強く希望されているというのです」(同)

 軽井沢町はご夫妻がテニスコートで出会われた思い出の地であり、さらには、

「ご夫妻がとりわけお心を寄せてこられたのが、戦後の混乱期、旧満州から引き揚げてきた人たちが入植した『大日向(おおひなた)開拓地』。入植者らとの交流は皇太子時代に始まり、平成時代も度々足を運ばれ、またコロナ禍を挟んで一昨年と昨年にも、ご夫妻は浅間山麓に広がる地区のキャベツ畑を訪問されています。今回も、長らく交流のある人たちとの再会を楽しみにされているのです」(宮内庁関係者)

「『大変な戦いでしたね』と仰ってくださった」

 実際に78年前に入植した大日向振興会の市川渥夫(あつお)会長(90)に聞くと、

「ご静養に備え、8月下旬に地区の公民館を空けておいてほしいという連絡が、区長から入っています」

 そう明かしながら、

「私も10年前、上皇さまが公民館で入植者らと懇談された時に同席しました。兄が(激戦地の)ペリリュー島で戦死しており、ちょうどその年に慰霊で島を訪問なさっていた上皇さまにお礼を申し上げたら、『大変な戦いでしたね』と仰ってくださいました。心臓のことはニュースで知っていますが、今年も軽井沢で休んでいただければと思います」

 加えて、お迎えの準備が進む現地では、ご体調に合わせて“特別態勢”が敷かれるという。町のさる関係者は、

「これまで上皇ご夫妻が滞在なさった際は、お帰りに軽井沢駅の貴賓室でお過ごしになっていましたが、今回は駅に到着された後にも、ご休息のお時間を設けることになる予定です」

 後編【「上皇ご夫妻は配置換えを全く望んでおられない」 宮内庁で近く大きな人事異動が】では、近く行われる宮内庁の人事異動について詳しく報じる。

週刊新潮 2025年8月7日号掲載

特集「91歳『上皇さま』ご健康への懸念」より

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