首相の椅子にしがみつく姿は「東條英機元首相をほうふつとさせる」 石破おろしの中心メンバーとは

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森山幹事長の狙いは……

 森山幹事長の関心は、すでに政権の維持から離れつつあるようで、

「森山幹事長は筋金入りの財政規律派ですから、積極財政を掲げる高市早苗前経済安全保障相(64)の総理総裁就任だけはなんとしても避けたい。幹事長は昨年の総裁選で小泉進次郎農林水産相(44)の支援に回っており、来たる総裁選でも小泉氏を勝たせるべく、すでに菅副総裁とも連絡を取り合っているものとみられます」(前出のデスク)

 もっとも、森山幹事長が政権を離脱した場合、そのダメージは計り知れない。

「石破首相は政権運営のすべての面に関して、森山幹事長を頼ってきました。参院選総括のまとまる8月下旬に幹事長が辞任するならば、その頃がまさに首相自身のターニングポイントになる可能性があります」(政治ジャーナリストの青山和弘氏)

「東條英機元首相をほうふつとさせる」

 元自民党本部事務局長で選挙・政治アドバイザーの久米晃氏が言う。

「東條英機元首相は太平洋戦争の戦況が悪化しても、首相の座にとどまり続けました。しかし、自ら定めた“絶対国防圏”内の重要拠点・サイパン島が陥落した結果、重臣らからの退陣圧力に抗し切れずについには辞任せざるを得なかった。石破首相が自ら設定した参院選の勝敗ライン、“自公過半数”を下回ったにもかかわらず、首相の椅子にしがみついている今の状況は、東條元首相が当時置かれていた立場をほうふつとさせます」

 そしてこう嘆息する。

「参議院の議席回復には時間がかかります。3年後の参院選の改選議席で現状を維持しても、自公過半数には戻りません。今回負けた議席は、6年後の改選で回復しなければならないのです。とはいえ、その6年の間に衆院選もありますし、情勢次第ではさらに議席を減らす可能性もある。自民党がしっかりしなければ、未来永劫、過半数など取り戻すことはできません」

 地位に居座ろうとする首相を説得しきれない自民党重鎮たち。かような茶番が続くなら、この党に未来はあるまい。

 前編【石破首相は「体力的にもう限界」だが取材には「行きつくところまで行くしかない」 退陣を報じた2社が“出禁”になる異常事態も】では、石破氏の退陣を報じた2社が出禁になった事態などについて報じている。

週刊新潮 2025年8月7日号掲載

特集「展望なき『石破おろし』で自民党の断末魔」より

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