首相の椅子にしがみつく姿は「東條英機元首相をほうふつとさせる」 石破おろしの中心メンバーとは

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麻生氏の美学

 片や、これまで表立った発言を控えているのが首相経験者の面々である。石破首相は23日、党本部で森山裕幹事長(80)同席の下、首相経験者の麻生最高顧問、菅義偉副総裁(76)、岸田文雄前首相(68)ら3名と会談したが、

「麻生氏自身、過去に石破首相らによる“麻生おろし”を経験しています。その麻生氏が今、“石破おろし”に臆面もなく参加すれば、自分が蛇蝎のごとく嫌ってきた石破首相と同じふるまいをすることになる。それは彼の美学に反します。だからこそ、23日の会談でも麻生氏は“石破首相では選挙に勝てない”と訴えるだけで、明確に“辞任すべき”とは口にできなかったのです」(前出のデスク)

 会談ではほかの首相経験者からもはっきりと退陣を要求する言葉はなかった。麻生氏ら首相経験者の弱腰が石破首相に、「(辞任の話は)一切出ていない」と語らせる口実を与えてしまったというわけである。

 元首相3人がそろいもそろって石破首相の首に鈴を付けられもしないという体たらく――。とはいえ、

「現実的には石破首相の政権運営は行き詰まっています。9月には党役員の任期が来ますが、党内有力者の協力を得られず、役員人事・内閣改造もままならないでしょう」(前出のデスク)

つれない態度の前原誠司氏

 石破政権が秋の臨時国会を乗り切るためには連立の枠組みを拡大するか、補正予算の編成で野党の主張を丸のみするほかない。だが、石破首相が連立拡大相手の一つに見込む、日本維新の会の前原誠司共同代表(63)はつれない態度である。

「とにかく、この間の参議院選挙で有権者からノーを突き付けられた政権ですからね。そこと組むというのは、われわれに投票してくださった方々を欺くことになります」(前原共同代表)

 前出のデスクが言う。

「これまで森山幹事長はあくまでも石破首相を支える姿勢に徹してきました。事実、先日までは署名が適正か精査する必要から、総会の開催を即座には認めない意向をにじませていたのです。それが180度方針を転換して“できるだけ早く開いたほうがよい”となったのは、党内分裂を避けるためとみられますが、一方で開催を決断しないと自身が針のむしろになるのが目に見えていたからでしょう」

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