石破首相は「体力的にもう限界」だが取材には「行きつくところまで行くしかない」 退陣を報じた2社が“出禁”になる異常事態も
「“誤報”だったのでは、という見方が」
全国紙2紙が「石破首相退陣へ」と報じたのは、この懇談会より5日前のことだった。
まず23日午前11時ごろ、毎日新聞が“スクープ”と銘打ち、ネットで〈石破首相、退陣へ 8月末までに表明 参院選総括踏まえ〉という記事を配信。昼過ぎには読売新聞も号外で〈石破首相退陣へ 参院選大敗引責 月内にも表明〉と打ったのである。その日は朝に日米関税交渉の合意締結が発表されたほか、午後には石破首相と総理経験者の会談が行われるなど激動の一日となったのだが、
「政治部記者の間では読売新聞の号外は“誤報”だったのでは、という見方が広まっています」
とは政治部デスク。
「読売と毎日の両紙を出禁に」
「特に問題になっているのが“月内にも表明”の部分です」(前出のデスク)
毎日が〈8月にまとめる参院選の総括を踏まえ、同月末までに退陣を表明する意向を固め、周辺に伝えた〉と報じた一方、読売は〈米国との関税交渉が妥結し、最大の懸案に道筋が付いたことを受けて決断した。赤沢経済再生相から合意内容の詳細な報告を受けた上で、月内にも退陣を表明する方向で調整する〉と踏み込んだ。だが、
「石破首相は退陣報道について、“私はそのような発言をしたことは一度もない”と否定しました。報道後、一部の官邸スタッフは読売と毎日の両紙を出禁にしています」(同)
しかし、天下の読売が号外で首相退陣の“月内表明”を書いたのだ。根拠がないはずはあるまい。
「本人にしっかり確認できていないのでは」
前出のデスクも、
「号外で退陣を打つなら、石破首相本人や森山幹事長に直接、確認しなかったとは考えにくい」
と、首をかしげるのだが、読売関係者の反応は異なったものだ。号外には〈首相は自身が身を引くことで態勢を立て直す必要があると判断したとみられる〉とも書いてあり、
「あの書き方は本人にしっかり確認できていないのではないでしょうか。責任者の川嶋三恵子政治部長は女性登用の流れの中で、読売では初の女性政治部長として今年6月1日に教育部長から異動してきたばかり。功を急いてしまい、“月内表明”でゴーサインを出してしまった感は否めません。本来なら“退陣不可避”程度の表現にとどめるべきでした」
[2/3ページ]

