陸上短距離界に“16歳の新星”現るも… 桐生祥秀のコーチが「過剰に期待しないで」と念を押したワケ
サニブラウンの記録も塗り替えた
陸上短距離界に久しぶりに新星が現れた。
石川県は星稜高校の2年生、清水空跳(そらと・16)が、インターハイ陸上100メートル決勝でたたき出したタイムは、日本歴代5位の10秒00。桐生祥秀(29)が保持していた高校記録10秒01のみならず、18歳未満の世界記録をも塗り替えた。
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「清水君は、以前から注目された存在でした」
と、スポーツ紙陸上担当記者が語る。
「両親共に陸上の元国体選手。中3のとき、全日本中学選手権の200メートルで優勝。全中は1人1種目しか出場できないため、100メートルは不出場で、200メートルを選んだのは“コーナーを回るのが好きだから”とのことでした」
今インターハイでは200メートルにも出場し、追い風参考ながら高校歴代2位のタイムで優勝した。
全国の強豪校からの勧誘を蹴って、地元の星稜高校に進学。高1の昨年からインターハイに出場し、100メートル決勝で2位となる。
「全員3年生の中、2月生まれで小柄な清水はひときわ目立っていました。“高1記録”というのがあり、サニブラウン・アブデル・ハキーム(26)が保持していたのですが、そのタイムも大幅に塗り替えています」
「ここから大切なのは、過剰な期待を寄せないこと」
7月に行われた世界陸上代表選考を兼ねた日本選手権にも出場している。
「予選で10秒19をマークするも、準決勝で桐生らの後塵を拝して4着となり、決勝進出ならず。ただ、清水は“憧れの桐生さんの隣りで走れて良かったです”と喜んでいました」
桐生の高校記録更新を目標にしてきたという。今回、それを早々に達成。この勢いで、9月に東京で開催される世界陸上にも出場してほしいものである。
「今のところ100メートルの内定者はいませんが、参加標準記録突破済みで世界ランキング国内1位のサニブラウンは当確。参加標準未突破ながら世界ランク国内2位の柳田大輝(22)も有力候補ですが、参加標準をクリアした清水が2番手に躍り出た格好です」
期待は膨らむばかりだが、
「同じく高校時代に脚光を浴びた桐生は、プレッシャーを感じて長らく伸び悩みました。それに懲りたのか、彼を指導した東洋大の土江寛裕コーチもXで〈ここから大切なのは、過剰な期待を寄せないことです。メディアのみなさん、よろしくお願いします〉とわれわれに釘を刺しています」
では、期待はほどほどに。







