起訴された「女児盗み撮り教師」には今も給料が支払われている! 教育委員会は「冤罪を防ぐ意味が」
わいせつ教師が逮捕・起訴されても「給与」は刑が確定するまで支払われ続ける――。冗談ではなく、現実に起きている話だ。なぜ、こんな不条理がまかり通るのか。取材を進めると、あきれた真相が見えてきた。
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女児の下着を撮影
小学校の教諭グループが女子児童の下着姿など盗み撮り画像をSNS上で共有していた、卑劣極まる事件の捜査がいよいよ核心へと迫りつつある。
全国紙社会部デスクが解説する。
「発覚の端緒となったのは今年3月、名古屋市内の駅ホームで同市立小教諭の水藤翔太被告(34)が15歳の少女のリュックに体液をかけ、逮捕されたことでした。愛知県警が被告のスマートフォンを解析すると、10名近くの教員が参加したグループチャットの存在が判明。児童のスカート内や教室での着替えの様子を盗み撮りした画像や動画約70点が共有されていました」
6月に入って、同じチャットメンバーの名古屋市立小教諭の森山勇二(42)と、横浜市立小教諭・小瀬村史也(37)の二人が性的姿態撮影等処罰法違反容疑で逮捕された。
「問題のチャットを開設したのが森山で、この事件の主犯とみられています。彼の逮捕容疑は、昨年9月に9歳(当時)の女児の下着をデジカメで撮影したというもの。この事案で今月15日に起訴されたのに続き、22日には女児のリコーダーに体液を付着させた器物損壊容疑でも再逮捕されました」(同)
実は驚くことに、森山には今に至るも「給与」が支払われ続けているのだ。
「今も給与の6割が支給」
市内にある公立学校の教職員らの処分をつかさどる名古屋市教育委員会の人事部管理主事がこう話す。
「森山被告に関しては、起訴された時点で『起訴休職』扱いとなり、今も給与の6割が支給されています。これは地方公務員法第28条に基づく措置となります」
水藤にも最初に起訴されてから約3カ月の間、給与の6割が支給されていた。
「水藤被告の最初の起訴は3月でしたが、懲戒免職処分としたのは6月30日です。通常、起訴休職の期間は起訴された日から判決が確定する日までとなる。しかし水藤とは複数回の面会を重ね、本人が罪を認めたため、初公判(7月17日)前に処分に付しました。森山被告との面会はいまだ実現していません」(同)
余罪の追及に加え、森山は主犯であるため事件の全容解明に向けたキーパーソンとされ、「現状、初公判のメドは立っていない」(前出のデスク)という。つまり水藤よりも長期にわたって給与が支払われる可能性が高いのだ。
世間の常識とはかけ離れた扱いの理由を問うと、
「推定無罪の原則に立ち、冤罪を防ぐ意味もあります」(市教委管理主事)
教育評論家の“尾木ママ”こと尾木直樹氏が憤まんやるかたない様子で語る。
「教師のわいせつ事件が頻発する中、“教師は性犯罪を犯さない”との前提の仕組みは変えるべきです。公立学校の教員の給与は税金が原資です。起訴休職のあり方について、議論が起きてもおかしくありません」








