夏の高校野球、“猛暑対策”に監督やコーチは…「クーリングタイムはいらない」と否定的な意見 “過密日程”の是正を求める声も

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国民の注目度が高い高校野球だからこそ

 甲子園出場経験もある関東地区の監督はこう話す。

「以前よりも多少余裕を持った日程を組むようにはなっていますが、最近はゲリラ豪雨なども頻繁にあって、突然、試合が中止になることが多いですね。そうなると、地方大会の終盤は、どうしても日程が厳しくなります。もちろん、それに合わせて準備はしますが、チームによっては、かなり準備することが難しい。また、夏の大会が終われば、すぐに秋の地方大会がスタートします。もう少し春と秋の両大会も含めて、日程を見直す方が、選手の故障予防に繋がると思います」

 地域によっては春季大会が6月まで行われており、そこから1カ月もしない間に、夏の地方大会が始まるところがある。

 これに加えて、夏の地方大会で最も遅い地域は7月29日が決勝で、夏の甲子園は8月5日が開幕となっており、その間はわずか1週間しかない。これらの日程面も見直す必要がありそうだ。

 100年を超える伝統があり、国民の注目度が高い高校野球だからこそ、あらゆる声に耳を傾けて、さらに改善するような取り組みが多く実施されることを望みたい。

西尾典文(にしお・のりふみ)
野球ライター。愛知県出身。1979年生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行う。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

デイリー新潮編集部

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