早大除籍「ラサール石井氏」が参院選に当選 “高学歴芸人”はこれからも増えるか
早大除籍をカミングアウト
先の参院選で、社民党から比例代表で当選したタレントのラサール石井氏(69)は会見で、議員としての抱負をこう述べた。
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「やりたいことは経済政策、消費税のこと。やっぱり段階的に廃止に持っていきたい。あるいはずっとマイナンバーカードには反対していたので、とりあえず紙の保険証の廃止を延長。それから教育の奨学金の地獄がありますよね。大学卒業したら何百万円の借金があるという。そういうのは大変だから、大学まで無償化みたいなものにチャレンジしていきたい」
タレントとしてのみならず、脚本家・演出家としても活躍しているラサール氏。その芸名は、自身の出身高である鹿児島の名門、ラ・サール高校からとったことは広く知られている。ラサール氏は、同高から早大第一文学部に進学。6月30日の出馬会見では最終学歴を聞かれ、「私は早稲田大学に4年通って除籍になっています。中退と言うと経歴詐称になる。私はラサール高卒。高卒が本当です」とカミングアウトした。
同時期の6月末、静岡県伊東市の田久保眞紀市長(55)が、「東洋大学を卒業していないのでは」という学歴詐称疑惑が浮上していた。7月2日の会見で田久保氏は「卒業は確認ができませんでした。除籍であることが判明しました」と公表した。
「本人が自分の意思で届を出した上で退学する中途退学(中退)と異なり、除籍は学費未納や単位未修得などを理由に、大学側の判断で学生の籍を外すこと。中退に比べ、何かを“やらかした”感が強いのは除籍ですが、政治家と違い、学歴よりも芸が重要なのが芸人です。それゆえ、ラサール氏の最終学歴がこれまで話題になることはありませんでした」(スポーツ紙記者)
早大時代、ミュージカル研究会に所属していたラサール氏だが、劇団テアトル・エコー養成所の募集広告にあった「1期生」という文言に惹かれ、試験を受け入所。そこで、1期下の渡辺正行(69)、小宮孝泰(69)とともにお笑いトリオ「コント赤信号」を結成する。ちなみに渡辺も小宮も明治大を卒業。落語家の立川志の輔(71)や三宅裕司(74)らを輩出した、同大落語研究会の同期だった。
「赤信号の三人は、東京・渋谷の劇場所属となり、コメディアンの故・杉兵助さんに弟子入り。修業を積んでいましたが、鳴かず飛ばずで解散を決意します。しかし、解散前に書いたネタ『暴走族コント』が代表作になったんです」(ベテラン芸能記者)
まず、ラサール氏が《俺たちの兄貴を紹介するぜ!》とネタふりし、小宮が《兄貴! 兄貴~!》とはやし立て、渡辺が《ハ~イ! 待たせたな》と決めゼリフ。これを冒頭でやって観客をわかせる。後のコント赤信号のおなじみのネタである。
「らつ腕で知られた故・石井光三さんが社長を務めた『石井光三オフィス』に所属すると、1980年にカンテレ・フジテレビ系の『花王名人劇場』でテレビデビュー。その後、大人気バラエティー番組となったフジテレビ系『オレたちひょうきん族』で一躍、全国区になりました。当時は漫才ブームでコンビが多い中、3人組でテンポのいいコントが斬新で人気に火が付きました」(同前)
トリオ売りから徐々にピンでの仕事も増える中、ラサール氏が明晰な頭脳で頭角を現したのがクイズ番組だった。フジ系のクイズ番組「たけし・逸見の平成教育委員会」では同郷で京大文学部卒の俳優の辰巳琢郎(66)とともに活躍し、優等生獲得回数は25回で第1位。辰巳は12回で2位タイだった。
この活躍ぶりもあり、ラサール氏が「ラ・サール高卒の高学歴芸人」として広く認識されるようになった。
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