ポスト石破に「高市早苗」待望論も…識者が「高市さんが総裁選で勝つのは簡単ではない」と語る2つの理由 “後見人”のイメージが勝敗を左右する可能性

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麻生氏に対する不満

 参院選の歴史的大敗を踏まえ、「自民党は大刷新を断行する必要がある。麻生さんの行動は、それとは逆だ」と憂慮している国会議員は少なくないという。

 そのため“反高市”の声が党内から出る背景としては、高市氏の思想性──彼女が極端な保守派であるか否か──は、それほど関係ないという。あくまで麻生氏の問題であり、彼が“キングメーカー”というイメージを有権者に与えることが怖いというのだ。

「2点目に挙げたいのは、高市さんの支持層が減っていることです。今回の参院選で、高市さんに近い旧安倍派の参院議員が相当数、落選してしまいました。保守的な思想を持つ有権者で以前は自民党を支持しており、最近になって参政党の支援者となった層も、当分の間は参政党支持に留まるでしょう。たとえ高市さんが新総裁になっても自民党支持に戻ってくれるとは限りません。高市さんの支持基盤は、前回の総裁選より揺らいでいるというのが正直なところだと思います」(同・伊藤氏)

 高市氏がダメなら、小泉進次郎氏(44)ならどうだ──という声も自民党内には少なくないという。

小泉でもダメ!?

「自民党の国会議員と話をすると、小泉待望論を語る議員の多さに呆れてしまいます。彼らは『農水相としてコメ高騰問題に対処し、国民から支持を受けた。新しい総裁、首相に就任すれば自民党の支持は増える』と期待するのですが、そんな甘い認識だからこそ参院選で大敗するのだ、と批判したくなります。小泉農水相を評価したのはテレビや新聞といった大手メディアだけであり、市井の有権者はずっと醒めた目で見ていたことを忘れてはなりません。小泉さんが新総裁、新首相に就任したとしても、それだけで自動的に自民党の支持率が回復することはあり得ないのです」(同・伊藤氏)

※本記事の日本会議に関する記述に誤解を招く表現がございました。事実と異なる部分について削除させて頂きます。関係者の皆様にお詫び申し上げます。

 第1回【高まる“石破おろし”に「総裁を変えたぐらいで自民党の票は戻らない」と識者が断じる理由…頼みの「組織票」は先細りで“結党以来の危機”との声も】では、自民党に吹いている逆風がどれほど深刻であり、党の分裂、崩壊も決して絵空事ではないことを、第2回と同じように伊藤惇夫氏の解説で詳細に報じている──。

デイリー新潮編集部

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