「玉木さんを恨む気持ちは全くありません」山尾志桜里氏がインタビューで明かした「公認騒動中に言い出せなかった本音」

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「愛知出禁」は民主主義の基本を傷つける行為

――「愛知出禁」の覚書が裏で交わされていた件については「デイリー新潮」でも報じています(当初、山尾氏は元々選挙区があった愛知県に事務所をおいて選挙活動をするつりだったが、公認騒動の最中、愛知県内の党関係者の反発を理由に玉木氏が「愛知県内に事務所を設置しない」「愛知県内の関係者と接触しない」等の覚書にサインするよう要求した話)。確認ですが、玉木さんは当初は愛知県で活動することに反対していなかったわけですね。

「はい。ダメなんて話は一切ありませんでした。当然、内々の段階から、玉木さん、榛葉さんとはどういう戦略で票を獲得していくか話し合いをしておりました。一つあった柱は、玉木さんと私で『憲法キャラバン』と銘打って全国行脚する案。もう一つは私自身が自助努力として愛知を基盤に支持を訴えていく案でした」

――あの覚書については、玉木さんのパワハラではないかという指摘もあります。

「確かに全国比例の候補者に対し、特定の地域を出禁にするという行為はハラスメントだと思いますし、それ以上に民主主義の基本を傷つける行為として自制されるべきことだと思います。

 ただ私は今回の件で、特定の人に責任を追及する気持ちはないのです。あくまで党のガバナンスの問題として捉えています。私の件を受けて、党内のガバナンスについてはこれから浅野哲さんを中心に見直していくと言ってくれています。今後、こうしたガバナンス不全が原因で他の候補者、特に女性候補者を傷つけることがないよう振り返ってほしいと思っています」

「ごめんね」の“謝罪”

――とはいえ、玉木さんに対して感情的になった場面もあったのではないですか。一緒にやろうと誘ってきた張本人なのですから。

「本当にないんです。選挙というのはこういう話がつきもので色々なことが起きるものです。突然、刺客を立てられるなんてこともありますしね。もちろん想定外のことが起きる度、全力で対応していかなければなりませんし、必要があれば反論もします。ただ、私は特定の人に怒りをぶつけるということはこれまでもなかったですし、今回もそうはなりませんでした。

 玉木さんは初当選同期として今も仲間意識がありますし、人間関係が壊れたとも思っていない。本当に恨む気持ちはありません。むしろ、玉木さんは私を守ろうとしてくれていたと思いますよ。私の周囲が怒って騒いでしまった面はありましたが、この間、私自身はずっと冷静でした」

――公認取り消し後、玉木氏からの謝罪がメッセージで一言「ごめんね」だけだった件については。

「あれも別に自分から言った話ではなく、デイリー新潮さんに報じられてしまったから、私としては謝罪を受けた認識はありませんよ、と世間にお伝えしただけの話です。『ごめんね』は同期として、友人としての言葉であったわけで、人として決して間違ったメッセージでもありません。表沙汰にならなければよかっただけの話ですので」

 このように玉木氏に対するわだかまりはないと語った山尾氏。では公認取り消し後、なぜ無謀とも思えた無所属での戦いに打って出たのか。後編【山尾志桜里氏インタビュー「勝ち負けではなく爽快な勝負を見せる必要があった」「もらってばかりだった自分を見つめ直しました」】ではその核心に迫る。

デイリー新潮編集部

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