アンゴラ村長にキンタロー。 女性芸人はなぜ「脱ぎたがる」ようになったのか 「自分の体を肯定する=強い私」というプロデュース術

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 近年急増している、女性芸人による写真集。その象徴的存在は、昨年発表した1stデジタル写真集「151センチ、48キロ」(講談社)がバカ売れした、にゃんこスターのアンゴラ村長だ。なぜ彼女たちは「脱ぎたがる」のか……ライターの冨士海ネコ氏がその背景を分析した。

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 近年、女性芸人によるセクシー写真や「脱ぎ」の企画が相次いでいる。先日は、キンタロー。さんが11年ぶりの「袋とじ」グラビアに登場した。普段は大げさ過ぎるメイクと顔芸で沸かせているキンタロー。さんだけに、当初はネタ企画かと思われていたようだが、セクシーな姿を披露し、お茶の間の度肝を抜いたようだ。

 かつては「ブス」「デブ」「モテない」を武器に、お茶の間に笑いを届けていた女性芸人たち。しかし今、「容姿いじり」がもはや笑えないという風潮の変化によって、恋愛や性についてあけすけに語り、カメラの前でセクシーな表情を浮かべる女性芸人が増えてきた。

 その象徴的存在ともいえるのが、にゃんこスターのアンゴラ村長だ。一見素朴で地味な見た目と、「リズム縄跳び」という斜め上の芸風でブレイクした彼女だが、昨年発表した1stデジタル写真集「151センチ、48キロ」(講談社)がバカ売れ。反響の大きさを受けて、今月半ばには紙の写真集「標準体型」が発売となり、こちらも大きな注目を集めている。

 他にも「限界露出」に挑んだぱーてぃーちゃん・信子さんによる写真集「抱いて…」(集英社)は、大手ECサイトのレビューでアイドル写真集を上回る高評価を獲得。また「THE W」の覇者となった紅しょうが・稲田美紀さんが優勝賞金で開催した写真展「MARRY MIKI」には、東京の会場に4000人以上が来場したという。ルッキズムの逆用ともいえる形で、女性芸人といえども「笑われる存在」であるより、「女としての魅力を見せる」ことが、ある種の表現として確立してきたのではないだろうか。

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